イギリスGPのレース後、記者会見場でちょっとしたハプニングが起きていた。2位のバルテリ・ボッタスと3位のキミ・ライコネンは、予定通り表彰式後、すぐに記者会見場にやってきたのだが、優勝したハミルトンが表彰式も表彰台の下を埋め尽くしていた観客の中に恒例のダイブを行うなど、ファンサービスを行なっていたため、なかなか来なかったのだ。
通常であれば、終わったばかりのレースの話でもして時間を潰すこともできたのだろうが、この2人は同じフィンランド人だが、いわゆる先輩・後輩という仲ではなく、あくまでもライバルのうちのひとりとしての関係なのである。
しかも、2戦前のアゼルバイジャンGPでは接触事故を起こしていたばかり。ということもあり、ルイス・ハミルトンが来るまで、記者会見場は微妙な雰囲気に包まれた状態が続いていたのである。
その間、約5分。2人はお互いに語りかけることもなければ、視線すら一度も合わせないという、緊張感のある時間を過ごしていた。
ファンサービスを終えて、やってきたハミルトンは、そんな状況になっていたとはつゆ知らず、真ん中の席に座ると、ボッタスにすぐさま語りかけ、ボッタスも返答していた。
アゼルバイジャンGPでは、ハミルトンとベッテルの接触が話題に上がり、いまも2人は和解していない。しかし、そのアゼルバイジャンGPの一件が済んでいないのは、ハミルトンとベッテルだけではないことを、図らずもこの記者会見で明らかになった。
今シーズンのメルセデス対フェラーリは、お互いのエースドライバーだけでなく、チームメイト同士も緊張感のある戦いを繰り広げる全面戦争となっており、今後も目が離せない。