ザウバーF1チームへのパワーユニット供給計画を解消したホンダが、2018年に向けて新たなカスタマーチームとの契約を検討していることが分かった。
今年4月、ホンダは、2018年からマクラーレンに加えてザウバーにもパワーユニットを供給するという計画を発表した。しかしその後、ザウバーのチーム代表が交代、チームが方針を変更したことにより、提携計画の解消が今月27日に発表された。翌日、ザウバーは現在のパートナー、フェラーリとの契約を延長したことを明らかにしている。
一方、ホンダはザウバーに代わるカスタマー候補と交渉中であることを認めた。有力候補はトロロッソであると推測されている。
「カスタマー供給契約を結ぶ機会があるかどうかを確認するため、フェラーリ、メルセデスといったワークス以外のチームと話をしています」と本田技研工業株式会社モータースポーツ部長の山本雅史氏が発言したとF1iが伝えた。
「来年に向けて達成できるようなスケジュールで進めるのは簡単なことではありません。ですが2018年に関する機会を探っているところです」
「もし(来年に向けて)カスタマーチームが見つからなければ、マクラーレンとの関係を続けた上で2019年にカスタマーを1チーム追加したいと考えています」
トロロッソが有力候補として推測されているが、同チームは来季ルノーとの契約を有している。トロロッソがルノーとの契約を解消してホンダにスイッチした場合、カスタマーチームが減るルノーは、マクラーレンに供給する余裕ができることになる。
マクラーレンは来年に向けてホンダ以外のエンジンパートナーとの契約の可能性を模索してきたといわれているが、メルセデスとフェラーリはマクラーレンとの提携に消極的であるようだ。残るルノーは、現在3チームに供給しており、これ以上カスタマーを増やしたくない考えであるとみられるが、トロロッソが外れれば、枠がひとつ空くことになる。
しかし山本氏は、ホンダにとって最優先事項はマクラーレンとのパートナーシップを継続することであると述べている。
「今、我々はマクラーレンと同じ方向を目指して取り組みを行っています」
「マクラーレンは今もこのプロジェクトをうまく機能させることにコミットしていると、我々は考えています」
ホンダにとって供給チームを2チームに増やすことには、収集できるデータが増えて開発スピードの向上が期待できるというメリットがある。