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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『東京喰種 トーキョーグール』

2017年07月28日 18:22  リアルサウンド

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、編集スタッフ1人がイチオシ作品をプッシュします。


参考:窪田正孝の“叫び”は、藤原竜也を超える? 『東京喰種』カネキ役で見せた怪演


 今まで読んできた漫画の中で、最も好きなキャラクターは鈴屋什造です。そんなリアルサウンド映画部のゆとり女子・戸塚がオススメする作品は、『東京喰種 トーキョーグール』。


 本作は、2011年より『週刊ヤングジャンプ』にて連載され、世界累計発行部数3000万部を突破した石田スイによる同名人気コミックを実写化したダークファンタジー。ヒトを喰らうことでしか生きながらえることができない存在“喰種”が潜む東京を舞台に、半分喰種になってしまった元人間の金木研(カネキ)が、喰種を駆逐しようとする人間側の組織・CCG(喰種対策局)との戦いに巻き込まれていく模様を描く。


 石田スイ先生の絵がどストライクで、数年前にこの漫画を手に取りました。完全にジャケ買いです。読み始めたら驚くほど面白くて、光の速さで心奪われ、どんどん没頭していきました。ページを捲る手が止まらず、1日何時間も読みふけっていた記憶があります。幼い頃から少女漫画はスキだったのですが、少年(青年)漫画はあまり興味がなく、ほとんど読んだことがありませんでした。だからこそ、少女漫画とは全く違う世界観に衝撃を受け、夢中になりました。「こんな面白いものがあったのか!」と(笑)。だからこそ、実写映画はどんな作品に仕上がるのか、制作が決まったときからずっと気になっていました。


 映画『東京喰種 トーキョーグール』については以前、主演の窪田正孝さんを軸に書きたかったことを全て書いてしまったので、それ以上のものがあまり出てこないのですが。(参考:窪田正孝の“叫び”は、藤原竜也を超える? 『東京喰種』カネキ役で見せた怪演)とにかく色々な意味でホラーでした。そして、喰種の捕食器官で、戦闘の際には殺傷能力のある武器としても使用される赫子(カグネ)が、とても気持ち悪い……。触手のような独特なビジュアルをした赫子が、CGで見事に再現されていたからこその、気持ち悪さであり、不気味さでした。こんな質感で、こんな風にうねるのか、とギョッとしました。


 先述したように漫画『東京喰種 トーキョーグール』を読んでいたので、ある程度のおぞましさは想像していました。ですが、実写となるとやはり生々しい。グロテスクなシーンが、原作にはたくさん登場しています。それを生身の人間が3次元に落とし込んでやるというのは、想像以上に恐ろしいものでした。特にヒトの肉を喰らっている姿には、ゾッとします。もちろん、窪田さんはじめ役者さんの演技力や、CG技術などがあってこそのリアルさなのですが。でも、だからこそ観客は『東京喰種 トーキョーグール』の世界観に入っていけます。


 『東京喰種 トーキョーグール』は“食物連鎖”について、命を喰らって生きることとは何かを問うているように感じます。私たちが普段食しているブタ、ウシ、トリ、サカナ……などにもそれぞれ生命があり、親(子)がいる。そんな日々何かの命を奪って生きているという事実を改めて実感させられる作品です。喰種は人間の“敵”ですが、決して“悪”ではありません。人間と同じく、嫌な奴もいい奴もいます。それぞれに、家族がいて、日々の生活があります。全員が悪い奴ではないのです。だからこそ、観客は無意識のうちに人間だけでなく喰種にも感情移入してしまいます。あくまでファンタジーなのですが、現実に置き換えて考えさせられます。


 原作を読んでいる方も読んでいない方も楽しめる内容です。特に窪田さんの演技はこの世の終わりのように凄まじいので、必見です。(リアルサウンド編集部)