喫煙者は肩身が狭くなる一方だ。日本たばこが7月27日に発表した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、喫煙率は18.2%で過去最低を記録したという。
男性の喫煙率は前年度比1.5ポイント減の28.2%で、女性は0.7ポイント減の9.0%だった。喫煙者率から推計される全国の喫煙人口は男性1426万人、女性491万人、計1917万人でこちらも過去最低となった。(取材・文:オリュンポス魔威孤)
「高齢化の進展、健康意識の高まりで喫煙者率が低下」
調査は2017年5月に、全国の男女1万9875人を対象に実施された。年代別に見ると40代が最も喫煙率が高い。地域別では、東北・北海道が他の地域よりも若干喫煙率が高いものの、大きな地域差はない。
喫煙者の1日あたりの平均喫煙本数は男性で18.1本、女性で14.7本だった。女性の喫煙本数は、過去3年変化がないが、男性の本数は微減している。
日本たばこの担当者によると「健康志向の高まりや煙草を取り巻く環境の変化が背景にある」という。
「喫煙規制の強化で煙草を取り巻く環境が変化しつつあります。高齢化の進展も一因です。煙草を吸う人も吸わない人も快適に過ごせるよう、分煙環境の整備が必要だと思います」
「喫煙は個人の権利だが、煙を嫌がる人に迷惑をかける権利はない」
近年、喫煙者本人の健康被害だけでなく、受動喫煙の被害についても広く知られるようになってきた。世論と歩を合わせて、行政による喫煙規制も進展しており、飲食店までもが全面禁煙になる可能性もある。しかし日本たばこの担当者が言うように「吸う人と吸わない人がどちらも快適に過ごせる環境」こそ必要なのではないか。
都内の人材会社に勤める喫煙者の20代女性も「喫煙者が肩身の狭い思いをするのはおかしいのではないか」と顔を曇らせる。
「煙草は健康に悪いですし、家族や恋人のことを考えると吸わない人が増えること自体は良いことだと思います……。ただ吸うか吸わないかは個人の自由なので喫煙所を減らしたり、飲食店で全面禁煙にしたりしてほしくはないですね。喫煙者が肩身の狭い思いをするのはおかしいと思います」
最近の急激な規制推進の動きに対して、喫煙者からは「禁煙ファシズムだ」という声もたびたび出ている。行政による喫煙規制や嫌煙の声がいきすぎないよう、喫煙者も吸わない人への配慮が求められる。調査結果が報じられると、「もっと減らそう」と喫煙者そのものが減るべきだという声もあったが、
「ポイ捨てせず喫煙場所で吸ってくれるならどうも思わん」
「喫煙は個人の権利だが、煙を嫌がる人に迷惑をかける権利は無いんだし」
といったツイートも多数投稿された。煙草を吸う自由を守るためにも、マナーの徹底が必要ということだろう。