7月27日に開幕したWRC世界ラリー選手権第9戦フィンランド。ホームイベントとも呼べる1戦に臨んだTOYOTA GAZOO Racing WRTは、エースのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合5番手で初日を終えた。
WRCを代表する高速グラベル(未舗装路)イベントのラリー・フィンランド。27日(木)午前中にはルイヒマキでシェイクダウンを実施。
その後、サービスパークが置かれるユバスキュラ近郊のハルユに移動。現地19時から市街地の舗装路と隣接する公園の未舗装路を組み合わせた特設コースでSS1が行われた。
このステージで、ラトバラは1分46秒3を記録。トップと2.2秒差の総合5番手を獲得した。
チームメイトのユホ・ハンニネンはシェイクダウン走行中、シケインでオーバーラン。この際、コースサイドのバリアに衝突し、ラジエーター周りにダメージを負ったが、メカニックの懸命な作業でマシンを修復しSS1に出走。慎重な走りで総合7番手を獲得した。
若手ドライバーのエサペッカ・ラッピは、SS1のシケインを通過する際に、タイヤバリアに接触。これでマシンのセッティングが狂い思うような走りができなかったが、総合13番手につけた。
■「SS1は特殊なコースで、他のSSとは性格が異なる」
「朝のシェイクダウンは、エンジンのセッティングがこのラリーに最適化されているかどうかの確認が主なテーマだったが、とてもうまくいったよ」と語るのはチーフエンジニアのトム・フォウラー。
「ユホのクルマはシケインのわらの塊に当たったが、サービスパークで修復し、予定していた作業をすべて終えることができた。夜のSS1はグラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)が混ざる特殊なコースで、ところどころ道が非常に狭く、このラリーの他のSSとはコースの性格が大きく異なるんだ」
「そのためドライバーたちは明日からの本格的な戦いに備えて、注意して走行した。明日からのスピードの高いステージに向けてクルマをうまく仕上げることができたから、自信を持っているよ」
ラトバラは「SS1のハルユは、いつも難しく感じるSSだ。最初のコーナーへの進入速度が速すぎて、ギヤが合っていなかった。その結果、少しタイムをロスしたと思うよ。しかし全体として見れば、クルマを何かに当てるようなこともなく、良いスタートを切れたと思う」とコメント。
ハンニネンも「SS1は気負わず落ち着いて走ったけど、クルマのフィーリングはとても良く、うまくまとめられたと思う」と走行を振り返ったほか、ラッピは「SS1では前に走ったクルマがシケインにぶつかったためか、バリアが動いていて隙間が狭くなり、クルマのタイヤを当ててしまった。そのせいでサスペンションのジオメトリーセッティングが少しずれてしまったようだ」と語っている。
競技2日目となる28日は、ユバスキュラを中心に12SSが行われ、なかにはビッグジャンプで有名なウーリヤやユコヤといった名物ステージも含まれる。また、最終SS13はSS1と同じハルユのストリートステージだ。
12SS合計の走行距離は145.71km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は641.03kmに及ぶ。