"意識高い系"という言葉が広まってもうけっこう経ったが、相変わらず攻撃対象にされている。7月23日の「もんくもん19」(読売テレビ)でも、「こんな意識高い系の人がイラつく!」といわんばかりに視聴者からのエピソードを紹介していた。(文:みゆくらけん)
年中常温の水しか飲まないことをアピールする会社の先輩(女性)に対し、
「真夏やのに常温の水って!あと、何が『タンブラー』や、『水筒』でいいやんけ」
と内心毒づく女性にはじまり、「常にチアシードを持ち歩く美容と健康大好きな女性」「綺麗な空を見たら思わずスマホで撮ってSNSに上げちゃう人」「『大阪城公園でマラソンしている俺』に酔っている先輩」などが「イラつく!」とされていた。
自分は情報感度が高くて向上心に溢れていることを周囲に知ってもらいたい?
街頭調査でも
「会社のエライ人が今後の方向性(のこと)を『ベクトル』と言いよんねん!」
「エエ車に乗ってる人がハンドル部分を持って腕時計とベンツマークを間接自慢。『今日も一日頑張ろう』みたいなのを書いてる。いらんやろ!と思う」
と、ガハハと笑う男性たちからの声が。
VTRを受け、スタジオゲストの草野仁は意識高い系についてこう分析。
「自分はいろんな情報を先に手に入れていて、いい方向を目指して歩いているということを認めてほしいということ(じゃないかな)」
確かに意識高い系の人々がうんざりされる要因には、○○なワタシ、をやたらとアピールする点にある。勝手にやってりゃいいものを、わざわざSNSに上げたりと周りに知らせるから「なんだか滑稽」となる。
批判している人たちは一体何様のつもりなのか
ただ、あまりにもイジワルな見方をするのもどうか。意識高い系の人を冷めた目で見てバカにすることで優位に立った気でいる人たちも大勢いる。そういう人たちはもしかしたらマツコ・デラックスや有吉のような目線に立って物申しているつもりでいるのかもしれないが、マツコのようにどんなことをいっても根底に愛があるわけでもなく、有吉のように確実に笑いに持っていける技術があるわけでもない。
「こんな風に冷めた目で物事を見るボク」がイケてるのだという勘違いは、常にチアシード持参のオーガニックさんの痛さと、実は根っこが同じなのではないか。「人にこう見られたい」という自分を演出している、という意味では。だからこそ、出演者最年少の藤田ニコルのこの言葉が胸に刺さる。
「みんなが大人になって温かい気持ちになれば全部解決するハナシ」
藤田ニコルは世間がイメージする以上に大人である。