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全日本F3:フォルクスワーゲンA18-CN搭載のF3-N新車両がもてぎでシェイクダウン

2017年07月27日 19:22  AUTOSPORT web

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ツインリンクもてぎでシェイクダウンされた新F3-N車両
7月27日、ツインリンクもてぎで2018年から全日本F3選手権のF3-N車両として使用されるダラーラF312世代+フォルクスワーゲンA18-CNエンジンの車両が、関口雄飛の手によってシェイクダウンされた。

 2008年からF3参戦への門戸を広げるべく導入されたF3-Nクラスは、ダラーラF305世代等の旧式シャシーにトヨタ-トムス3S-GEエンジンを搭載した車両が使われ、低コストでの参戦を可能にしていたが、近年FIAのF3車両がアップデートされ、F3-Nクラスの車両にも一層の安全性とパフォーマンス向上が求められていた。

 そんななか、日本フォーミュラスリー協会では新たなF3-N車両の検討を重ねた結果、2018年からシャシーを2016年までのFIA-F3車両であるダラーラF312世代とし、ヨーロッパのF3でかつて使用されていたフォルクスワーゲンエンジンをパワーアップさせたA18-CNエンジンを搭載した車両に刷新することを7月7日に発表していた(外観では現在の2017年J項車両のローノーズに対し、16年までのハイノーズ車両になるため、違いが分かる)。

 27日、ツインリンクもてぎでは全日本F3第7大会に向けた専有走行が14時からスタートしたが、レースに参戦する19台のマシンに混じって、フォルクスワーゲンA18-CNを搭載したモスグリーンの車両がコースインした。ステアリングを握ったのは、F3で多くの経験をもつ関口雄飛だ。

 シェイクダウンは走行直後こそマイナートラブルが発生したというが、エンジンのマップを調整した結果、その後は順調に走行。最終周には関口が1分47秒526というタイムをマークし走行を終えた。なお、このセッションでは首位となったアレックス・パロウ(THREEBOND)が1分44秒596というタイムをマークしている。

「まだセットアップも決まっていない状況ですが、詰めていけばあとコンマ5~6秒は上げられるのではないでしょうか。ステアリングも重いですが、今のF3-Nはシーケンシャルで、今回の車両はパドルなので、楽になるのではないでしょうか」と走行を終えた関口は語る。

 また、エンジン供給を担当するコックスにも話を聞くと「ヨーロッパで走っていたときからは、日本フォーミュラスリー協会さんのリクエストもあり、少しモディファイされています。エンジン自体はベンチテストも終えているので不安はありませんでしたが、メガライン社製のパドルシフトをはじめ、パッケージとしてモディファイされたところが無事に動いてくれたので、まずはホッとしています」とのことだった。

 無事シェイクダウンを終えた次期F3-N車両は、明日の午前のセッションも走行予定だという。