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BTCC:15戦で9人の勝者。「10人、5メーカー以上、史上最大のタイトル争いへ」

2017年07月27日 17:02  AUTOSPORT web

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ホンダ、BMW、スバル、トヨタ、フォード、メルセデスなどがタイトルへ向けしのぎを削る
伝統のサマーブレイクを終え、7月29~30日のスネッタートン戦でいよいよ2017年シーズン後半戦の幕が開くBTCCイギリス・ツーリングカー選手権。前半5つのラウンドを終え15戦を消化したシリーズは、これまで5人の勝者と14人の表彰台経験者を輩出。タイトル争いは、ランキング9位からの大逆転となった2016年以上の大混戦が予想される。

 ディフェンディング・チャンピオンであり、2016年後半戦開幕時にはランキング9位につけ、大逆転劇の立役者となったチーム・ダイナミクスのゴードン・シェドン(ホンダ・シビック・タイプR)は、今季前半戦から好調を維持して188点を稼ぎポイントランキング首位。BTCCとしては30年ぶりとなる選手権3連覇を狙っている。

 シェドンから11ポイント差でその背後につけるのは、昨年もランク2位で折り返した名門ウェスト・サリー・レーシング(WSR)のロブ・コラードと、今季からチームメイトとなったベテラン、コリン・ターキントンのワークスBMW勢。FRマシンのBMW125i Mスポーツは、今季からバイエルンとBMW UKのサポートを得て戦闘力が向上。とくにターキントンのマシン開発能力には定評があり、昨年同時期の比較でも大幅な獲得ポイント上昇を果たしている。

 その後方、ランキング4番手につけるのは、ターキントンの古巣であり彼の開発熟成したマシンを駆って大躍進を遂げたヤングスター、スバル・チームBMRのアシュリー・サットン(スバル・レヴォーグGT)で、シェドンに20ポイント差の好位置をキープしている。

 2016年にBTCCデビューを果たしたサットンは、今季前半戦終了間際の2ラウンドで3勝を挙げ、レヴォーグのドライビングを完全にマスターしたかのように見え、20ポイント差が1ラウンドで引っ繰り返せる差でしかないことを考えれば、その勢いに対し「今季は彼のシーズン」と予見する関係者も多い。

 このサマーブレイクの間、7月初旬にスネッタートンで開催された2日間のBTCC合同テストでは、初日最速タイムをマークしたユーロテック・レーシング・ホンダのジャック・ゴフのタイムを、エイドリアン・フラックス・スバル・レーシングのマシンが更新。2日間の全体ベストを叩き出す好調ぶりを示している。

 そのステアリングを握っていたサットンは「冬の間は(移籍確定の遅れなどで)あまりテスト機会がなかったので、この2日間は本当にうれしかった」と語り、さらにマシンへの理解が進んだことを明かしている。

「僕らはこのレヴォーグのスイートスポットを見つけて、狙ってタイムを削り取ることができた。このスネッタートンで開幕する後半戦に向けて、とてもいいセットアップが見つかったよ」

 そのほか、開幕戦勝者で序盤戦にポイントリーダーを守った新型トヨタ・アベンシスのトム・イングラムや、ハルフォズ・ユアサ・レーシングのマット・ニール(ホンダ・シビック・タイプR)、そしてこちらも移籍組のWSR、アンドリュー・ジョーダン(BMW125iMスポーツ)と、ランキング上位にはタイトル獲得経験者がずらりと並び、ハンディモータースポーツのロブ・オースティン(トヨタ・アベンシス)、シシリー・モータースポーツのアダム・モーガン(メルセデス・ベンツAクラス)など、その誰もにチャンピオンの可能性が残されている。

 また、クロフト・ラウンドのマルチプル・クラッシュで負傷していたドライバーの中では、MGレーシング、トリプルエイト・レーシングのアーロン-テイラー・スミス(MG6 GT)が、このスネッタートンの後半戦から復帰決定。

 ユーロテック・レーシング・ホンダの1台は、ジェフ・スミスに代わって息子のブレットへのスイッチがアナウンスされている他、一番の重症となっていたモーターベース・パフォーマンスのルーク・ダベンポートに関して、チームは代役を立てず3台から2台体制へと減らしてのエントリーを決めた。

 そのほか、TCRインターナショナルとの移籍連鎖でレギュラードライバーを探していたマキシマム・モータースポーツは、チーム代表のスチュワート・ラインズ自らがコクピットに"復帰"することを決意。この後半戦からステアリングを握ることとなっている。

 ひとつの週末でチャンピオンシップリードとタイトルの見通しを完全に裏返すことが可能な、大混戦の2017年BTCCシーズン。大観衆を集めるノーフォークのトラックで、この週末に再開となる。