F1タイヤサプライヤーのピレリが、イギリスGPでフェラーリのキミ・ライコネンのタイヤに発生したトラブルについて、調査結果を発表した。原因はタイヤ自体にはなく、外部から受けたダメージであったとの結論にいたったという。
イギリスGP決勝終盤、2位を行くライコネンの左フロントタイヤにトラブルが発生し、51周のレースの49周目に緊急ピットイン。すると直後に4位を走行中のセバスチャン・ベッテルの左フロントがパンク、50周目にタイヤ交換をしなければならなくなり、7位でフィニッシュする結果になった。タイトル争いのライバル、ルイス・ハミルトンは優勝、ベッテルが築いた20ポイントのリードはわずか1点に減ってしまった。
ピレリは決勝終了直後の見解として、どちらのタイヤもほぼ終わりかけていたが、2台に起きた問題は全く別物であると述べた。ライコネンのタイヤにはダメージが生じていたがエアが抜けてはいなかった。一方、ベッテルのタイヤはパンクしていたと、ピレリは説明していた。
その後、詳しい調査を行ったピレリは、21日にベッテルのトラブルの最初の原因はスローパンクチャーであるとの発表を行った。ライコネンの問題については分析にさらに時間がかかるとしていたが、26日、調査結果を発表した。
ピレリはタイヤの構造やデザイン自体に問題は一切なく、縁石にヒットしたことなどによってダメージが生じたことが考えられると示唆している。
「フェラーリドライバー、キミ・ライコネンのソフトコンパウンドの左フロントタイヤに最近のイギリスGP終盤、問題が発生したことを受け、これを分析した結果、ショルダー内部エリア近くのベルトの縁に2カ所の明確なダメージがあることが判明した」とピレリの声明には記されている。
「このダメージはタイヤの他のエリアには全く存在しなかった。さらに、ベルトと構造には疲労の兆候は一切見られなかった」
「このダメージの最初の原因としては、外部物体への接触から2カ所の影響されたエリアにおいてカーカスからベルトが一部分離したという可能性が矛盾がない。この2カ所のうち1カ所には、論理的な結果として、トレッドの一部も分離している」
「しかしながら、このダメージは実際のタイヤ構造に悪影響を及ぼしてはおらず、ライコネンはエアが入った状態でピットまで安全に戻ることができた」
「これまで多数の詳細なテストを行ってきた。イギリスGPで同様あるいはそれ以上の距離を走行したトップグループの他のタイヤを使用し、ライコネンが(25周)使用したセットと比較して、破壊テストおよびそれ以外のテストを行った。しかしいずれの場合もタイヤの構造に影響する疲労、分離、裂傷の兆候は一切見られず、そういった問題が始まる兆候すら見られなかった」
「結論として、ピレリは、タイヤ自体に関連して発生した問題は一切なかったと確認できる」