F1ハンガリーGPを前に、メルセデスF1チームのトト・ウォルフがシーズン前半戦を振り返りつつ、週末のレースに向けた抱負を語った。
「2017年シーズンも半分が終わったいま、ドライバーズ、コンストラクターズともに、選手権はどちらに転んでもおかしくない状況だ。コンストラクターズ選手権では少々の余裕があり、ドライバーズ選手権でのポイント差も少なくなっている。けれども現状、それは重要なことではない。前半戦トップというだけでは何も受賞できないのだから」
「各サーキットで週末ごとに、冷静かつ理論的な方法でパフォーマンスを築き上げていき、プッシュし続けるというのが我々のアプローチだ。ポイントについて心配するのは、もっと後の話になる。ファクトリーの通路を歩きながら感じ取れるのは、これまでにはなかったようなエネルギーと決意だ。チームが選手権での戦いに、どのように取り組んでいるのかを見られるのは感動的なことだ」
「前半戦は複雑だった。フェラーリとの厳しい戦いになることは、最初の(オフシーズン)テストのときから明らかだった。きっと最高のシーズンになるだろうことが、すぐにわかったよ。マシンを機能させるための正しいセッティングを探り出すことができず、我々にとって困難なスタートではあった。モナコでは難しい週末を過ごしたが、勝利よりも敗北からの方が多くを学べるというものだ。このときの教訓を正しく生かし、そこから事態を好転させていった」
「ドライバーたちは我々にとって、最も大きな強みのひとつだ。ルイス(ハミルトン)は特に中国、カナダ、イギリスで熟練のパフォーマンスを発揮してくれた。母国の観衆の前での勝利は感情をかき立てるものであり、きっといまも彼は、このときのエネルギーを内に秘めているだろうと確信している。彼は週末ごとに何かしらの記録に並んだり更新したりしていて、F1史上最高のドライバーとして伝説を築き上げている最中だ」
「ブダペストはどんなときも彼にとって良いサーキットだったが、過去の栄光は将来のパフォーマンスを保証してくれたりはしない。そのことは本人が誰よりもよく知っているだろう。正しく準備を整え、懸命な仕事をして結果を出していくことがすべてだ」
「バルテリ(ボッタス)はフィンランド人らしい決意と戦う意思を持っている。仕事への意欲はすさまじく、確固としたアプローチと天性の才能があるんだ。チームを移籍するというチャレンジに身を投じた彼の、ポテンシャルのすべてが解き放たれようとしている。週末を過ごすごとに磨きがかかり、すでにドライバーとしての完成度はシーズン開幕時よりも高い。今シーズン残りのレースで、どれだけの成長を遂げていくのかを想像するだけでワクワクするよ」
「ブダペストはサマーブレイク前の最後のレースになる。シルバーストンでは素晴らしい週末を楽しんだが、これからも何か良いことが起きそうだ。今回のハンガリーGPでも、やはりFP1から仕事をきちんとこなしていかなければならない。ライバルも逆転を強く決意しているはずなので、それを予測しておく必要がある。メルセデスとしては、自己満足にひたってはいない。仕事に対する断固とした決意があるだけだ」