PSAプジョーシトロエングループは7月26日、シトロエンがWRC世界ラリー選手権に投入しているシトロエンC3 WRCのテストに、9度のWRCチャンピオンであるセバスチャン・ローブを起用すると発表した。
2014年にWTCC世界ツーリングカー選手権に転向するまで、シトロエンとともにWRC9連覇を成し遂げたローブは、2016年に姉妹ブランドのプジョーに移籍。現在はダカールラリーやWorldRX世界ラリークロス選手権に参戦している。
そんなローブが、シトロエンブランドへ“復帰”。近日中に行われるC3 WRCのターマック(舗装路)テストに参加して、2017年型WRカーを初ドライブする。
今回、このブランド間でのドライバー共有を実現させたのが『PSAモータースポーツ』の存在だ。
このPSAモータースポーツは、グループ内にあるプジョー・スポールとシトロエン・レーシング、DSパフォーマンスという3つのモータースポーツ活動を束ねるもので、3ブランドのモータースポーツ活動を連携させシナジー効果を生むことを目的としている。また、所属ドライバーのシェアも狙いのひとつだ。
これにより、ローブはプジョー・スポールの一員としてダカールラリーやWorldRXを戦いながら、並行してシトロエン・レーシングにも関与することが可能となり、今回のテスト参加が実現した。
■フル参戦終了から5年。ローブ「テクノロジーの進化を体験したくて待ち遠しい」
「PSAモータースポーツが誕生したことで、僕たちはひとつのビッグチームになることができた」とローブ。
「その結果、プジョーともにダカールやラリークロスを戦いながら、僕がこれまで培ってきた経験をC3 WRCとシトロエンにもたらすことができる」
「僕がWRCを去ってから、テクノロジーがどう進化したのかを体験したくて、テストが待ち遠しい。シリーズへのフル参戦をやめてから5年が経つけど、その間に得てきた経験すべてを活かすことができるはずだ」
PSAモータースポーツを率いるジャン-マルク・フィノーは「セバスチャン(・ローブ)は、PSAグループの理念を理解している。それこそが彼が長年シトロエン、プジョーとともに戦っている理由だ」と語る。
「セバスチャンは、どちらのチームにとっても柱となる中心的な存在だ。このPSAモータースポーツを通して、彼のような才能あるドライバーにDSパフォーマンス、シトロエン・レーシング、プジョー・スポールの3チームで戦うチャンスを与えたい」
「当然、我々も彼らのドライビングスキルから多くのものを得ることができる。ドライバーたちにはPSAファミリーの一員として、自分たちの力を発揮し、夢を叶えてもらいたいんだ」
2017年シーズン開幕前、WRCチャンピオン候補筆頭とみられていたシトロエンは、マシンのパフォーマンス不足により、シーズン序盤から苦戦。現在もチームランキング最下位と不振にあえいでいる。