ハースF1チームは2017年シーズン後半に向けて、どちらのブレーキパッケージが最適なのか、いまだに判断しかねているという。
チームは1年をとおしてブレーキの問題に悩まされてきた。最も大きな影響を受けているのはロマン・グロージャンであり、ケビン・マグヌッセンはよりうまく問題に対処できている。
前戦イギリスGPで新サプライヤーであるカーボン・インダストリー製ブレーキを使用したグロージャンは、このときの感想を以下のように述べた。
「レースウィーク中にブレーキを変えるのは簡単なことではない。ブレーキを変えることで、マッピングも変更したり、セットアップを調整したりする必要が出てくるんだ」
「CI(カーボンインダストリー)のパッケージからは良い結果が得られたと思う。ブレンボも、適したスペックと温度下でなら悪くはなかった」
一方のマグヌッセンは元のブレンボ製ブレーキを装着していたが、FP1ではアントニオ・ジョビナッツィが出走したために走行時間が限られていた。彼は今週末のハンガリーGPでどちらのブレーキを使うかについては明言しておらず、「まだ作業の最中なんだ」と話している。
ハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーは、チーム全体による調査がさらに必要だと説明した。
「新しいブレーキの理解に一歩近づいた。だがシルバーストンではハードブレーキングの機会がなかったので、これからがふたつめの段階となる。シルバーストンは他のどのサーキットよりも、ブレーキングの機会が少ないタイプのサーキットなんだ」
「ハンガリーは逆だ。ブレーキを多用するし、長いストレートがないためにブレーキを冷やす時間もない。余計なエネルギーがブレーキからタイヤに伝わらないようにするために、ブレーキパッケージを適正範囲に合わせる必要がある」
「ドライバーは特に予選で、ブレーキが適正範囲にあるかどうかを常に見極めなければらない。フィニッシュラインを通過してアタックに入る際には、ブレーキが適した温度になっていなくてはならないんだ」
「我々はテストを継続し、FP1とFP2でどうなるか様子を見てから決勝での対応を決める。2回のフリー走行を終えるまで、どうするかはわからない。まだブレーキの評価とテストの段階にあるからだ。それにドライバーからの感想も多少は関わってくる」
「シルバーストンでのケビンは、ブレンボ製のブレーキを続けて使いたがっていた。そちらの方に慣れているからだ。彼はFP1で走行しなかったので、ブレンボ製を使う方がより安心だったんだ。繰り返しになるが、ハンガリーGPでは2回のフリー走行が終わるまで、どうすることになるかはわからないよ」