メルセデスベンツは7月25日、2017年内のデリバリー開始を予定しているGT4マシン、『メルセデスAMG GT4』の詳細を発表した。
GT3マシンのコスト高騰、レースの“プロフェッショナル化”などに伴い、ジェントルマンドライバーを中心に急速に支持を集めているGT4。この急成長を遂げているカテゴリにメルセデスが放つ新型マシンが、このメルセデスAMG GT4だ。
AMG GT4は2016年に発売された市販車のメルセデスAMG GT Rがベースとなっており、これに長年GT3マシン開発で培ってきた技術を投入。SLS AMGT GT3やAMG GT3の開発ドライバーを務めたベルント・シュナイダー、トーマス・イェーガー、ヤン・ザイファルトの3名もプロジェクトに携わった。
心臓部には4リッターのV8直噴ツインターボエンジンを搭載。最大出力は510馬力だ。これに性能だけでなくメンテナンス性も追求したという6速シーケンシャルギヤボックスが組み合わされる。
シャシーとボディワークはアルミとカーボンのハイブリッドで軽量性と剛性を両立。また、エンジンコントロールユニットやトルクコントロール、トラクションコントロールといった、ドライバーアシスト機能にもAMG GT3で培ったテクノロジーが詰め込まれた。
メルセデスAMG GmbH代表のトビアス・メールスは「GT4セグメントは急速に成長しており、GT3プログラムと並行して、若手ドライバーを育成するためにGT4を選ぶチームも多い」と語っている。
「我々マニュファクチャラーとしても、カスタマーレーシングプログラムが進む次の段階として、GT4を選択するのは論理的な流れだった」
「GT3で成し遂げたことを鑑みれば、AMG GT4が世界的に成功を収め、カテゴリのベンチマーク的な存在になると確信しているよ」
AMGは2017年末のデリバリー開始に向け、30時間の耐久走行を含む開発テストを行っているほか、開発の一環として、3台のAMG GT4をいくつかのレースにスポット参戦させる計画だ。
VAT(付加価値税)抜きで、19万8850ユーロ(約2582万円)で販売されるメルセデスAMG GT4の実車は7月24日に開幕するトタル・スパ24時間でワールドプレミアされる。