モンスターエナジーNASCARカップは7月23日、インディアナポリス・モータースピードウェイで第20戦が行われ、ケイシー・ケイン(シボレーSS)が優勝した。
2015~16年と、トヨタ・カムリを操るカイル・ブッシュが連勝中のNASCARインディアナポリス。2017年大会もカイル・ブッシュが予選でポールポジションを獲得するなど、速さをみせつける。
160周の決勝でもカイル・ブッシュがレースをリードしていくが、12周目にサーキット周辺に雷雨の恐れがあるとされてレースは赤旗中断。雨がやみ、コースを乾燥させるためにおよそ2時間近い中断となる。
レース再開後、カイル・ブッシュはふたたびトップを快走。2番手にトヨタ陣営のマーティン・トゥルーエクスJr.が続く形となる。カイル・ブッシュは、50周目までのステージ1でトップチェッカー。続く100周目までのステージ2も制してみせる。
ステージ3も、カイル・ブッシュとトゥルーエクスJr.によるトップ争いが展開するかと思われたが、111周目のリスタート直後に、トップ争いを繰り広げていたトゥルーエクスJr.がバランスを崩す。
この際、トゥルーエクスJr.はサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げていたいカイル・ブッシュと接触して、2台ともウォールに激突。トゥルーエクスJr.の車両からは火の手が上がるクラッシュとなってしまう。
幸い、ドライバーに大きな怪我はなかったが、走行を続けることはできなくなり、トップを争ってきた2台のカムリが揃って姿を消す波乱の展開に。
その後、トップにはマット・ケンゼス(トヨタ・カムリ)が浮上。レース残り30周を切ってピットに向かうまではレースをリードしていく。ケンゼスはグリーンフラッグ下でピットに入ったこともあり、いったんは大きくポジションを落としたが、その後は上位陣を2秒近く上回るペースで追い上げていった。
しかし、149周目にホームストレート上でクリント・ボウヤー(フォード・フュージョン)、カート・ブッシュ(フォード・フュージョン)らが絡む多重クラッシュが発生。コース上にデブリが散乱したため、レースは再度、赤旗中断となる。
アクシデントの処理を終え、レースは20分後に再開されたが、154周目にカイル・ラーソン(シボレーSS)がホームストレート上でウォールにヒット。マシンから出火するクラッシュを起こしてしまう。
またジミー・ジョンソン(シボレーSS)もターン2でバランスを崩しウォールに激突。これでレ―スは延長戦“オーバータイム”に突入する。
レースは163周目に再開されたが、このリスタートでも8台が絡むクラッシュがあり、マシンがホームストレートを塞ぐ形でストップ。またもレースは赤旗中断となった。
マシンの撤去作業などを終え、レースは“オーバータイム・アテンプト”として166周目に再開。このリスタートで1列目イン側につけていたケインは、ターン1への進入でブラッド・ケゼロウスキー(フォード・フュージョン)をオーバーテイク。トップに浮上してバックストレートへ向かう。
一方、トヨタ勢最上位の3番手でリスタートを迎えたデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)はペースを上げられず、ターン2の立ち上がりで後続に追突されてスピン。これにライバルが巻き込まれ、またも多重クラッシュに発展し、イエローコーションが掲示される。
しかし、トップのケインは、イエローコーションが出される前に“オーバータイム・ライン”を通過して、ファイナルラップに突入していたため、ここでのレース延長はなし。イエローコーションのままケインがチェッカーを受け、2014年以来となる勝利を手にした。
2位はケゼロウスキー、3位はライアン・ニューマン(シボレーSS)が獲得。トヨタ勢最上位はケンゼスの5位だった。
モンスターエナジーNASCARカップ第21戦は7月30日、ペンシルベニア州のポコノ・レースウェイで行われる。