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R&D SPORT 2017スーパーGT第4戦SUGO レースレポート

2017年07月25日 06:42  AUTOSPORT web

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SUBARU BRZ R&D SPORT 2017スーパーGT第4戦SUGO
2017.07.22-スーパーGT第4戦 スポーツランドSUGO・予選
SUBARU BRZ GT300は予選4番手から表彰台の頂点を目指す

 7月22日(土)、スーパーGT第4戦「SUGO GT 300km RACE」の予選セッションが行われ、SUBARU BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)は、4番手を獲得しました。セカンドロウから決勝レースでの追い上げ、そして表彰台の頂点を目指します。チームは明日の決勝に向けて車両を万全とすべく、入念なメンテナンスを行っています。
 
午前中は車両にトラブルが発生
 この日の午前中、晴れ上がった夏空のもとで公式練習が行なわれました。セッション序盤、SUBARU BRZ GT300は細かなトラブルやマシンフィーリングの調整のためピットインを繰り返すこととなりました。
 
 後半には徐々にペースを取り戻し、1分20秒306の12番手で走行を終えています。セッションはトップから1秒以内に22台がひしめく接戦となり、SUBARU BRZ GT300はセッション首位と0.636秒差につけました。
 
 辰己英治総監督はセッション終了後、次のように語っています。

「ちょっと駆動系のトラブルがあって修復作業を行なっています。加えて、ギヤ比をSUGOテストの時の仕様に戻します。ギヤ比はシミュレーションだけで必ず合うというものではなく、ドライバーの感覚も重要です。もちろんピタッとはまることもありますが、状況にも左右されるということです」

「こういうトライができるのもトランスアクスルの利点のひとつでもあります。セッションの感触自体は悪くありません。タイムも安定して出すことができていますし、予選でもトップ3は確実に狙います」

SUBARUからチームに「チョコレート」の差し入れ!
 今回のレースでは、SUBARUとメリーチョコレートとのコラボ商品「SUBARU オリジナルパッケージチョコレート」がチームに差し入れられました。
 
 メリーチョコレートは1950年開業、日本で初めて百貨店でのバレンタインデーセールを実施した菓子メーカーで、その品質はグローバルでも高く評価されています。パッケージ表面にはSUBARU 360と軽飛行機FA-200がプリントされています。
 
 さらに側面には水平対向エンジンのピストンとコンロッド、クランクシャフトが。チョコレートは全部で24個、そのうち4個はSUBARU 360オリジナルシールで包装され、1個にはSUBARUのロゴが印字されています。
 
 ドライバーのふたりも予選を前にひと口……。「口当たりが良く、とっても“スバルの味”がします!(山内)」「疲れが吹き飛びますね。これで予選も頑張れます!(井口)」と気に入った様子。
 
 このチョコレートは、SUBARU 恵比寿ショールーム「SUBARU STAR SQUARE」で10月より販売再開される予定で、メリーオンラインショップでは通年販売されているそうです。

SUBARUオリジナルパッケージチョコレート
24個入-メリーオンラインショップ
価格 1080円(税込)
http://maryshop.jp/shop/g/g5443/

SUBARU BRZ GT300はセカンドロウを獲得
 予選Q1セッションは14時10分からスタート。午後に入ると空は雲に覆われましたが、心配された大雨にはならず、気温28度、路面温度36度という条件のもとで行われました。
 
 ウエット宣言が出されたものの、全車スリックタイヤでスタート。SUBARU BRZ GT300のステアリングを握るのは山内です。セッションは途中で赤旗をはさみ、残り10分での再開となりました。ここで山内は渾身のアタック。1分18秒836でトップに躍り出ることに成功します。
 
 Q2セッションでステアリングを握った井口は1分22秒071を記録。さらにタイムアップを図ったものの、アタックラップの途中で赤旗が提示され、セッションは中断されてしまいます。
 
 この中断にも井口は集中力を保ち続け、再度アタックを敢行。1分18秒936というタイムを刻んで4番手を獲得し、セカンドロウから決勝レースに臨むこととなりました。
 
 練習走行の最後の仕様に乗っていないままアタックを行った山内。「Q1とはいえ、トップを獲れたことは素直にうれしかったですね。午前中はトラブルが出て満足行く走りはできなかったのですが、短い走行のなかでもチームへのフィードバックはできましたし、チームがそれに応えてくれた結果かなと思います。井口選手も初めてのニュータイヤでいいアタックをしてくれたと思います。決勝日は雨が降る予報になっていますが、ダンロップは雨にも強いですし、自信を持って頑張りたいと思います」と、前向きなコメントを残しています。
 
 井口は「今季ここまで、午前中に走り込めないことが多いですね。Q1では山内選手がいいタイムを出してくれて、そのままの仕様で行きましたが、Q2で詰め切れない部分があって。もちろんチームも頑張ってくれて、いい方向に来ていますが、練習走行でもうひとつ上のレベルで走ることができれば、もっと違うタイムも見えてくるのではないかなと思います。決勝は雨の予報で荒れると思うので、まずは無事に走り切って、いい結果を出したいですね」と、この日を振り返りました。
 
 辰己総監督は予選について、「Q1の山内はいい走りをしてくれましたね。Q2の井口は4番手となりましたが、赤旗のタイミングは仕方がないですし、ふたりのラップタイムはほぼ同じですから、今回はライバルがちょっと上だったということでしょう。決勝に向けては少し高速域の安定感を見据えたものにしようと考えています」と総括しています。

SUBARU WRX STIで『サーキットエクスペリエンス』を実施!
 この日行なわれた『サーキットエクスペリエンス』では、山内が新型WRX STIで同乗走行を実施しました。
 
 走り終わった山内は、「とにかく安定しているという印象です。ちょっと高い速度で曲がっても、横に乗っている人も不安になることがありません。新しいブレーキについても、効きも良くてコントロール性が高くなったと思います。クルマの楽しさとか、“ドライバーがこうやって走っているんだ”というところも伝えられたかなと思います。皆さんに楽しく乗っていただけましたし、“安心と愉しさ”がしっかり備わっているなと感じました」と、新型WRX STIの性能について好評価を寄せています。


2017.07.23-スーパーGT第4戦 スポーツランドSUGO・決勝
セーフティカーに翻弄され不完全燃焼の9位
スーパーGT第4戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが7月23日(日)に行なわれ、4番グリッドからスタートしたSUBARU BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)は9位でレースを終えることとなりました。

2連続セーフティカーで後退を余儀なくされる
 前日と打って変わって厚い雲に覆われた第4戦の決勝日。午前中に降った雨はスーパーGTのスタート前にはいったん上がり、路面も乾きかけというコンディションに。
 
 チームは難しいタイヤ選択を迫られる状況となりましたが、スタート直前に再び降り始めた雨によりレインタイヤをセレクトしてレースに臨みました。スターティングドライバーは山内が務めます。
 
 山内はスタート直後にライバルの先行を許してしまいますが、コーナリングスピードの高さを活かして前走車を攻略。30周を過ぎる頃には3番手までポジションアップを果たします。

 レース中盤、このレース2度目のセーフティカー(SC)が導入されます。このSCがピットに戻った段階で、他チームの多くはピットイン。もともと山内が長めに走行する作戦を立てていたチームは、この段階でのピットを見送ります。
 
 山内は自己ベストラップを更新してタイムを稼ぎにかかりますが、ここで再びSCが導入され、ピットは閉鎖。このため、ピット作業を先延ばししてタイムを稼ごうとしていたSUBARU BRZ GT300と、ピット作業を終えて大きく遅れていたライバルたちとの差が一気に詰まってしまうことに。
 
 SC後にピット作業を終えたSUBARU BRZ GT300は3番手から10番手まで順位を落としてしまうこととなりました。

 スリックタイヤを装着した井口はタイヤの温まりに苦労し一時11番手に順位を落とすものの、その後はベストラップを連発。
 
 しかし、なかなかオーバーテイクをするには至らず、ひとつポジションを上げた10番手でレースをフィニッシュ。その後ひとつ順位が繰り上がり、9位でレースを終えることとなりました。

車両のポテンシャル自体は確認できた
 チーム総監督の辰己英治は、「SCのタイミングは仕方のない部分はありますが、クルマがまだ遅いですね。タイム自体が悪いわけではなく、ストレートスピードが足りないために、どうしてもライバルのペースで走らされてしまっています。ウエットタイヤで行く作戦も、山内に長く乗ってもらう作戦も間違ってはいませんでしたし、スリックタイヤでのタイムも悪くない。ストレートで抜かれないクルマになればだいぶ違うと思います」と、SUBARU BRZ GT300の戦いぶりを振り返りました。

 山内は、「ちょっとSCが多すぎたレースかなと思いますね。自分のスティントで序盤は少し引っかかってしまいましたが、攻防戦という意味ではいいレースができたと思います。ダンロップもいいタイヤを持ってきてくれました。2回連続のSCがなければ、トップとの差もうまく詰められたはずです。ポイントは獲れたので、最低限のところはクリアできたのかなと。今後も諦めずに戦っていけば、昨年のように表彰台や優勝も狙うことができる。それが大切だと思っています」と語っています。
 
 後半スティントを担当した井口は、「山内選手が長い周回数をいいポジションで戦い続けてくれました。SCのタイミングがよければ、かなりいいところでコースに戻れていたと思うので、それが台無しになってしまったことは残念です。ノーポイントになる可能性もあった荒れたレースのなか、わずかでも加点できたことは次につながります。これを無駄にしないように、良かった部分と悪かった部分をしっかりチームと分析して、2週間後の富士と鈴鹿でいい流れを取り戻したいと思います」と、次戦に向けて気持ちを新たにしています。

 次戦のスーパーGT第5戦は、8月5日(土)と6日(日)富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催されます。
 
 わずか2週間のインターバルですが、今回のレースで得たデータをフィードバックし、さらなるスピードを得て臨むSUBARU BRZ GT300への応援をよろしくお願いいたします。