メルセデスベンツは7月24日、2018年シーズン限りでDTMドイツツーリングカー選手権の活動を終了し、2019/20シーズンからフォーミュラE(FE)に参戦すると発表した。
DTMにとって衝撃とも言えるニュースが24日、シュツットガルトから発信された。これまでBMW、アウディとともに三つ巴の戦いを展開してきたメルセデスベンツが、18年シーズン限りでDTMの活動を終了すると発表したのだ。
メルセデスは第1期DTMからシリーズの主役とも言える存在で、これまで26シーズンに渡って参戦し10のドライバーズタイトル、13のチーム、マニュファクチャラータイトル(ITC時代含む)を獲得。2000年にDTMが復活してからもシリーズを支え続けた。
そんなメルセデスは、今回“戦略的な移行”として19/20年シーズンから、電気フォーミュラのフォーミュラEに参戦するという。F1活動は継続で、ハイテクノロジーと最も厳しい競争が行われるF1と、自動車業界で進行する変革の具体化としてのFEという両面でのアプローチだとしている。
「メルセデスベンツのモータースポーツの歴史において、DTMは我々の重要なチャプターとして高く評価されてきた」とメルセデスのモータースポーツディレクターを務めるトト・ウォルフは語る。
「その間に素晴らしい仕事をし、メルセデスがDTMで最も成功したマニュファクチャラーとなることに協力してくれたチームメンバーに感謝したい。DTMを去ることはつらいが、今季と来季、チャンピオンを獲得することに全力を注ぐ」
また、新たに参戦するフォーミュラEについて、メルセデスのマーケティング担当バイスプレジデントのジェーン・ティエマーは「いま、新しい道を歩むときだ」と語った。
「電気自動車はメルセデスにとって戦略的に重要なものであり、メルセデスは将来、EQというブランドでバッテリー駆動の電気自動車を販売する。フォーミュラEはその競争力を実証するための完璧なプラットフォームだ」
ドイツでは2030年から内燃機関を使った自動車の販売を禁ずる法案が出されるなど、電気自動車への動きが加速しており、モータースポーツにもその影響が波及。フォーミュラEにはアウディ、BMWが参加し、メルセデスを加えドイツの3メーカーがそろうことになる。またアウディはWECを、フォルクスワーゲンはWRCの活動を終了した。
これまでDTMの中心だったメルセデスの活動終了は、DTMの将来にも大きく影響しそうで、アウディとBMWがシリーズにどう携わっていくのか、大いに注目が集まるところだ。