FIAヨーロピアンF3選手権に参戦中で、2016年のBRDCマクラーレン・オートスポーツ・アワード受賞者であるランド・ノリスが、本格的なスポーツカー・レースデビューとして、2018年1月のデイトナ24時間に参戦することを発表した。
過去にデイビッド・クルサード、ダリオ・フランキッティ、ジェンソン・バトンら、そうそうたるメンバーを輩出したBRDCヤングドライバー賞を受賞したイギリス・グラストンベリー出身の17歳は、今季からマクラーレンのジュニアプログラムに加入。
マクラーレン・ホンダの育成ドライバーとしてヨーロピアンF3に名門カーリンから参戦し、開幕戦ポールポジションからの勝利を筆頭に、今季すでに3勝。ランキング3位につけている。
そのノリスが最初の国際的なスポーツカー・レーシングへの挑戦の場として選んだのは、伝統のデイトナ24時間で、これはマクラーレンのエグゼクティブ・ディレクターを務めるザック・ブラウンのプロジェクトであるユナイテッド・オートスポーツからのエントリーとなる。
2017年のル・マン24時間にも参戦した同チームは、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズを主戦場に、2016年はLMP3クラスのタイトルを獲得。今季はフィリップ・アルバカーキを擁してトップカテゴリーのLMP2にもステップアップを果たしている。
その彼らは、今季開幕前にイギリス・バーミンガムで開催されたオートスポーツ・インターナショナルの会場において、2018年のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの開幕戦デイトナ24時間に、リジェJS P217・ギブソンで参戦することを発表していた。
チームの公式サイトによれば、ノリスのチームメイトにはELMSに参戦中のアメリカ人、ウィル・オーウェンを起用し、その他のドライバーに関しては後日発表するという。
これまでトップレベルのスポーツカー耐久の経験がないノリス。シングルシーター以外の経験としては、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権のサポートカテゴリーであるジネッタ・ジュニアに参戦したことがある程度だ。
それでも「デイトナ24時間を楽しみにしているし、とてもエキサイティングな挑戦になるはずだ」とノリス。
「この経験は2018年シーズンに向けてオフの期間に、レースを戦うために必要な身体的能力とシャープさを維持するのにとても役に立つはず。同時に、世界的に有名な耐久レースを楽しむことができるのも最高だね」
「リジェのマシンは僕にとって完全に未知なる挑戦だ。2014年のジネッタ以来、屋根の付いているクルマでレースをするのは初めてになるけど、僕はすぐに適応できると思っているよ」
ノリスの起用を決めたザック・ブラウンは、2011年にマイケル・シャンク・レーシングとの共同プロジェクトとして、ライリー・フォードMkXX DPでエントリーして以来のデイトナ24時間復帰となる。
そのブラウンは今回のドライバー起用に関して「ノリスは素晴らしい才能の持ち主で、彼がチームのためにデイトナでドライブする契約を結べたことに興奮している」と語った。
「もちろん、彼はまだクルマのことに関しては何ひとつ知らない状態だが大丈夫だ。すぐに経験豊富なチームメイトから学び、あっという間にマシンを手なづけていくと信じている。その過程を間近で見られることも本当に楽しみだよ」