DTMドイツ・ツーリングカー選手権第10戦が23日にモスクワレースウェイで開催され、マーロ・エンゲル(メルセデスAMG C63 DTM)がDTM参戦52戦目で初勝利を挙げた。
午前中に行われた予選では、ブルーノ・シュペングラー(BMW M4 DTM)がポールポジションを獲得。チャンピオンを争うマティアス・エクストローム(アウディRS5 DTM)が2番手、前日の勝利でポイントリーダーとなったレネ・ラスト(アウディRS5 DTM)が3番手と続いた。
55分+1周で争われる決勝レース。スペングラーはエクストロームを抑えホールショットを決める。7番手スタートのマキシム・マルタン(BMW M4 DTM)は、ロイック・デュバル(アウディRS5 DTM)と接触し大きく後退してしまう。
1周目終わりで上位にいたマルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM)、デュバル、そして最後列スタートだったエンゲルとトム・ブロンクビスト(BMW M4 DTM)がピットイン。早めのタイヤ交換で上位進出を狙う。
後方に下がってしまったマルタンは5周目にストップ。マシン前方には炎も見え、セーフティカーが導入される。これでピットインを済ませていた4台は大きなアドバンテージを掴むこととなる。
10周目にリスタートが切られシュペングラーがトップをキープ。しかし、12周目にエクストロームがシュペングラーをオーバーテイクしトップに立つ。
2番手に落ちたシュペングラーは14周目終わりでピットイン。エクストロームは16周目にピットへと向かう。
エクストロームはシュペングラーの前でピットアウト。シュペングラーの後ろでは、ラストとアウグスト・ファーフス(BMW M4 DTM)、ルーカス・アウアー(メルセデスAMG C63 DTM)が激しいポジション争いを繰り広げる。
エンゲルは、23周目にウィットマンをオーバーテイク。前はまだピットインを終えていないニコ・ミュラー(アウディRS5 DTM)のみとなる。しかし、エクストロームが1周目でピットインした4台との差を徐々に詰めていく。
エクストロームは31周目にブロンクビストを、そして翌周にはウィットマンを攻め立てる。
残り3分を切った33周目にミュラーはピットインし、トップはエンゲル、ウィットマン、エクストローム、シュペングラーと続く。
35周目、エクストロームはファーストコーナーでウィットマンをオーバーテイクし2番手に。しかし、エンゲルはエクストロームとの差をキープし、DTM復帰後10戦目、通算52戦目で初のトップチェッカーを受けた。
「チェッカーフラッグを見て驚いたんだ。レースが終わったことに気づいていなかったんだよ。自分のキャリアの中で、もっとも長い1周だった」とエンゲル。
猛追を見せ2位に入ったエクストロームはポイントリーダーを奪還し、「クレイジーでワイルドなレースだった。少し大変だったが、このようなレースは楽しいね。さらにポイントリードも取り戻せてよかったよ。マーロにはおめでとうを言いたい。彼は勝利に値するよ。もう1周あれば彼を捉えることができただろうね」とコメント。
3位はファイナルラップ前にウィットマンとシュペングラーの2台を豪快にオーバーテイクしたジェイミー・グリーン(アウディRS5 DTM)が入った。