政府は今年3月に「働き方改革実行計画」で、原則「月45時間、年360時間」、繁忙月は「100時間未満」という上限規制を設けることを明記した。これについて働く人はどう思っているのか。
ネットリサーチなどを行うインターワイヤードは7月20日、「長時間労働に関する意識調査結果」を発表した。調査は今年4月4日~14日の間、同社が運営するネットリサーチ「DIMSDRIVE」モニターで、正規社員として組織に勤務している人を対象に実施。1343人から回答を得た。
「運輸業・郵便業」では3人に1人が月に45時間超の残業をしている
サービス残業を含め「月平均でどれくらい残業をしているか」聞くと、「0時間(残業なし)」(26.6%)が最も多い。残業する人では、「20~30時間未満」(17.1%)がトップで、「10~20時間未満」(15.2%)、「30~45時間未満」(14.6%)が続いている。「45時間以上」も13.8%いる。
月の残業時間が45時間を超える人の割合を業種別で見ると、「運輸業・郵便業」(32.3%)が最も高く、およそ3人に1人の割合だ。「教育・学習支援業(学校教育)」(26.2%)、「宿泊業・飲食サービス業」「教育・学習支援業(その他)」(共に25.0%)が続いた。
「残業する理由」を聞くと、「仕事の量が多すぎる」(44.5%)が圧倒的に多く、「仕事の割り振りに問題がある」(21.7%)、「ムダな打ち合わせが多い」(20.3%)などを引き離している。
特定の人に残業が集中する理由「人数に対して仕事量が多すぎる」がトップ
「職場で最も残業が多い人は、月平均でどれくらい残業していると思うか」を聞くと、「45時間以上」が42.7%だった。「100時間以上」(13.2%)という回答も見られた。
「職場で特定の人に残業が集中していると思うか」を聞くと、「そう思う」が64.6%。その理由には、「人数に対して仕事の量が多すぎる」(42.8%)、「仕事の割り振りに問題がある」(38.4%)、「仕事をこなせるスキルを持った人が他にいない」(27.7%)などが上位に挙がっている。
「サービス残業をしている」と回答した人は40.7%で、「20~30時間」(8.6%)が最も多い。業種別では、「教育・学習支援業(学校教育)」(69.0%)が最多。サービス残業をする理由は「それが当たり前の雰囲気が会社全体にあるから」(42.0%)が他の理由を圧倒。解消法には、「仕事量に見合う人員を採用することが必要」(36.0%)がトップで、慢性的な人員不足がサービス残業を助長しているものと思われる。
残業の上限規制を職場で順守できるかについては、「できると思う」が50.6%で約半数だった。反対に「できると思わない」は22.2%、「どちらともいえない」は27.2%だった。