7月23日、スポーツランドSUGOで行われたスーパーGT第4戦SUGOの決勝レース。GT500クラスを制したDENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンと平手晃平が戦いを振り返るとともに、優勝の喜びを語った。
DENSO KOBELCO SARD LC500
ヘイキ・コバライネン
「本当にクレイジーなレースだった。ウエットでもドライでもないダンプコンディションでは何が起きてもおかしくない。こういうレースではチーム戦略とタイヤ選択が鍵になるんだ」
「スタートではハード寄りのウエットタイヤを履くことにした。チームが使っている気象レーダーでは、レース序盤に雨雲が(サーキットに)かかってくると予想できて、降水量は少ないけどスリックタイヤでは厳しい雨量になると判断したんだ」
「そのあとはピットで時間を無駄にしないよう、スティントを極力伸ばす戦略にした。ハードコンパウンドを選んで正解だったよ。ホンダ勢も速かったけど、食らいついていくことができた」
「戦略も完璧だったし、セーフティカーが入るタイミングも僕たちに味方した。運もよかったんだ。とにかくマシンのパフォーマンスはよかったから、戦略を実行できるようタイヤをマネジメントするだけだった」
平手晃平
「SUGOはこういう(路面)コンディションのレースになりやすいですね。(ウエットかドライか)どっちつかずの状態でスタートすることになり、最後の最後までエンジニアとスタートタイヤをどうするか話しあいました」
「ピットインのタイミングも事前に決めていましたが、これがいい方に働いて、46号車(S Road CRAFTSPORTS GT-R)と2台で優勝争いを演じる形になりました」
「こういったコンディションではタイヤを痛めやすいので、とくにフロントタイヤの様子をみながら最後まで走っていました。残り2周くらいで、バックストレートエンドで雨あしが強くなり、最終コーナーの1コーナーで本山(哲)さんとバトルを繰り広げました」
「それをなんとかしのいで『このままゴールかな』と思ったら、馬の背コーナー付近で雨あしが強くなったんです。SPインコーナーには、かなり手前から慎重にブレーキングしていきましたけど、ブレーキを踏んだときにはリヤが振れてしまいました。このままクラッシュするかなと思いましたよ」
「ただ、あそこでは、お互いにコースアウトしていたみたいで、ミラーを見たら本山さんもグラベルの上にいました。『これはコースに戻った者勝ちかな』と感じて、とにかくアクセル全開でリカバリーしました」
「ラッキーな要素もありましたけど、ブリヂストン勢のなかでは一番ペースもよかったですし、チームもいいクルマを作ってくれました。第2戦富士、第3戦オートポリスと勝てる力はありましたけど、不運から結果につなげられませんでした。今回勝ったことで、チャンピオン争いに復帰することができましたね」
「僕の奥さんがスポーツランドSUGOのレースクイーンを務めていたこともあり、僕にとって、ここは第2の故郷。勝てたらいいなと思っていたので、今日はいいおみやげを持って帰れますよ(笑)」