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スーパーGT:雨の激闘はGAINER AMGが制す。平中&ビルドハイムが2014年以来の勝利

2017年07月23日 18:42  AUTOSPORT web

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2014年シーズン以来となる優勝を手にしたGAINER TANAX AMG GT3のビヨン・ビルドハイム(左)と平中克幸(右)
スーパーGT第4戦SUGOの決勝レースが7月23日、宮城県村田町のスポーツランドSUGOで開催され、GT300クラスはGAINER TANAX AMG GT3が2014年以来となる優勝を飾った。

 予選日は小雨がぱらつく時間帯があったものの終日ドライコンディションだったが、決勝日朝の天候は雨。雨量は多くないものの朝から降ったりやんだりを繰り返す雨によって路面は濡れ、決勝レースはこの週末初めてのウエットコンディションで争われた。

 この日、レーススタート時点の気温は25度、路面温度は27度。一時はやんでいた雨が決勝レース開始時刻の14時30分を迎える直前にふたたびび降り出す難しい天候で、各車、グリッド上でスタート直前までタイヤ選択に頭を悩ませることになった。

 ローリングスタートからホールショットを奪ったのは、ポールポジションのVivaC 86 MC。これにUPGARAGE BANDOH 86、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3が続く。

 スタート早々、トップのVivaC、それを2番手から追うUPGARAGEは快調に単独走行。激しいバトルを繰り広げる3番手以下を引き離しにかかる。

 しかし、5周目、最終コーナーでクラッシュしたのか、フロントを大破してエンジンがむき出しになっているARTO 86 MC 101が場内ビジョンに映し出される。この影響でコース上にはパーツ片やオイルなどが散乱。回収作業のため、セーフティーカーが導入され、しばらくの間セーフティーカーランが続くことになった。

 レースは11周目に再開。各車ともレーシングスピードで1コーナーに飛び込んでいくと、スリックタイヤスタートでペースを上げられないでいたGT500クラスのWedsSport ADVAN LC500がGT300の集団に飲み込まれることに。

 この際、GT300の2番手を走っていたUPGARAGE 86とWedsSport LC500がまさかの接触。互いにマシンにダメージを負い、UPGARAGE 86は大きく順位を落としてしまった。

 さらにスタートからトップを守っていたVivaC 86が、ウエットコンディションでも速さをみせるブリヂストンタイヤを履くLEON CVSTOS AMG、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3に相次いでオーバーテイクされ、3番手に後退。トップ3はLEON AMG、JMS RC F、VivaC 86の順で周回を重ねていく。

 スタートから40周を過ぎた頃、GT500クラスのフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが最終コーナーでオーバーシュートしアウト側のスポンジバリアにクラッシュ。そのままストップしたため、レース2回目のセーフティカーが導入される。

 回収作業が終わり、レースは47周目に再開。レース折り返しを過ぎていることもあり、再開と同時に各車とも続々とピットインすることに。このころには雨もやんで路面も乾きだしていたため、チームはスリックタイヤを選択してコースに復帰する。

 しかし2度目のレース再開直後、ARTA BMW M6 GT3がJMS RC Fと接触し1コーナーでオーバーラン。さらに、植毛 GT-Rがフォーラムエンジニアリング GT-Rと同じく最終コーナーでスポンジバリアに衝突。このインシデントによって、三度目となるセーフティカーが導入された。

 53周目にレースが再開されると、この時点でピットインをしていなかったLEON AMGやJMS RC F 、SUBARU BRZ R&D SPORTらが相次いでピットへ。

 この隙に先にピットを済ませていたGAINER AMGがトップへ浮上。2回目と3回目のセーフティカーの間にピットを済ませたFerrari 488 GT3が2番手に続き、その後ろにグッドスマイル 初音ミク AMG、VivaC 86といったオーダーになる。

 レース終盤、トップのGAINER AMGとFerrari 488が単独走行状態となった一方で、3位争いが激化。67周目には初音ミク AMGの背後にVivaC 86が迫る。VivaC 86の松井孝允は1~2コーナーで初音ミク AMGの谷口信輝のイン側をうかがうが、ここは谷口がガード。

 しかし、その翌周、谷口が1コーナーでGT500のマシンにラインを譲ったわずかな隙を突いて、松井が2コーナーでマシンの鼻先を谷口のインへねじこみオーバーテイク。表彰台圏内に浮上した。

 これで前が開けた松井は、1分21秒台を連発する走りで上位2台を猛追するが、追いつくことは叶わずチェッカー。混乱のレースを戦い抜いたGAINER AMGが7秒のリードをもって優勝を飾り、Ferrari 488が2位表彰台を手にした。

 優勝したGAINER AMGの平中克幸とビヨン・ビルドハイムにとっては2014年シーズンの最終戦もてぎ以来となる優勝となったほか、2位のFerrari 488にとっても今季序盤の不振を跳ねのける表彰台となった。

 2017年のスーパーGTは1週間のインターバルを経て夏の3連戦の第2ラウンド、第5戦が8月5~6日に富士スピードウェイで行われる。