ロシア・モスクワレースウェイで開催されているDTMドイツ・ツーリングカー選手権。22日に行われた第9戦は、レネ・ラスト(アウディRS5 DTM)が今季2勝目を挙げた。この勝利で、ラストは前半戦をランキングトップで折り返すこととなった。
予選でポールを獲得したのはマルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM)だった。しかしウィットマンは、前大会のノリスリンクでマティアス・エクストローム(アウディRS5 DTM)とのアクシデントで今季3度目の警告を受け、5グリッド降格のペナルティが科せられ、フロントローには、予選2番手、3番手を獲得したアウディのレネ・ラストとマイク・ロッケンフェラーのふたりが立った。
スタートを決めたラストはレースをリード。5番手スタートだったポイントリーダーのエクストロームはティモ・グロックと接触しコースアウト。大きく順位を落としてしまう。
2周目、ロッケンフェラーのインを強引にこじ開けアウグスト・ファーフス(BMW M4 DTM)。2番手を奪うも右フロントをパンクさせ上位争いから離脱する。
10周目の最終コーナーでウィットマンを交わしグロックは3番手に浮上し、13周目終わりでタイヤ交換へと向かう。前の周にピットインしたウィットマンは、グロックを猛追。翌周の1コーナーでオーバーテイクするも、その前にはピットアウトしたばかりのロバート・ウィケンス(メルセデスAMG C63 DTM)が立ちはだかる。激しいポジション争いは、ウィットマンに軍配。再び3番手に浮上する。
全車タイヤ交換を終え、トップはラスト、ロッケンフェラー、ウィットマン、ウィケンス、グロックの順でレースは後半戦へ。
20周目にファステストラップを記録したウィケンスは、その勢いのまま21周目にウィットマンを交わし3番手に。しかし、ウィットマンはあきらめず、再び32周目にポジションを奪い返す。
ラストはロッケンフェラーに追われるも最後までポジションをキープ。0.7秒差で逃げ切り、今シーズン2勝目を挙げた。2位はロッケンフェラー、3位にウィットマンとなった。
「ほぼ完璧なレースだったね。スタートは最適ではなかったけど、その後は本当にうまくいった。レースすべてでリードすることができ、ポイントランキングを再びリードすることに満足しているよ」
「マイク(ロッケンフェラー)がDRS圏内にいたけど、彼がアタックができるくらいに近づくことはなかった」とラスト。
ノリスリンクでのクラッシュで左足中足骨骨折の怪我を負っていたロッケンフェラーだったが、骨折部分をテープで固定し、右足のみのドライビングスタイルに変更してモスクワ戦に参戦。見事2位表彰台を獲得した。
前半の9戦を終えたDTM。第9戦の勝利で99ポイントにしたラストがポイントリーダーに返り咲き、メルセデスのルーカス・アウアーが95ポイントでランキング2位。エクストロームが93ポイントでランキング3位となり、シーズン後半戦へと突入する。