ロバート・クビカは再び高い競争力を持ってF1マシンをドライブし、以前と同じだけのハイレベルなパフォーマンスが発揮できると確信している。
クビカは2006年から2010年の間に76レースに参戦し、2008年にはカナダGPで優勝を飾っている。しかしながら2011年2月にラリー中の事故で重傷を負い、F1でのキャリアは途絶えることになった。
最近、ルノーが2012年型マシンで二度にわたりクビカを走行させてからというもの、彼がF1に復帰するのではないかという憶測が飛び交っている。今月末のハンガロリンクでの合同テストでは、2017年型のマシンに乗り込むのではといった噂もある。
ハンガリーGPでは、クビカがジョリオン・パーマーに代わってフリー走行に参加する可能性があると報道した記事もあった。しかしこの件について、チーム首脳のシリル・アビテブールはコメントを拒否。クビカに関する憶測について、アビテブールは以下のように語った。
「噂に尾ひれをつけるようなことはしたくない。いまは現状のラインアップとパッケージから最大値を引き出すことに集中している。2018年シーズンについてはそのうち考える」
「我々はPRの目的でクビカをテストしているわけではない。彼にはいまでも速さがあり、かつてと変わらぬ熱意がある」
クビカは、本当にチャンスがあるならば身体的には挑戦できる確信があると言う。現在32歳の彼は、イタリアの新聞Corriere della Seraに次のように述べている。
「違いは主にコーナーリングのパフォーマンスだけど、これは癖と努力の問題だけだよ。他のドライバーにできることが、僕にも同じようにできないわけがない」
「トレーニングと準備が必要になるだろうが、僕は自分が以前のようなドライバーに戻れることを確信してるんだ。わざとらしい謙遜抜きに言うと、2010年の僕のレベルは高かったんだ!」
「2011年の事故で、運命が僕から奪ったものをどうにか取り返せたと実感しているよ。ルノーは僕にチャンスを与えるだけの勇気と確信を持っていたわけだけど、いまの僕はそれに応えられている」
またクビカは、今年前半に行われたルノーとの2回のテストが、自身にとってどれほど大きな意味があったのかについて語った。
「バレンシアで僕のために用意されたマシンをピットで見たとき『これこそが、僕がいつも感じていた情熱だ。これが僕の人生だ』と感じたんだ。ポールリカールでの2回目のテストでは、そのフィーリングがもっとはっきりと感じ取れた」
「6年間にわたって待ち焦がれてきたコクピットの中で、何も心配する必要なく安らぎを感じた。その後に起こったことは魔法みたいで、僕の中にいつまでも残っていく。次に何が起ころうともね」