F1公式タイヤサプライヤーのピレリは、21日、イギリスGPでフェラーリの2台に発生したタイヤトラブルの調査結果を発表した。
イギリスGP決勝終盤、2位を行くキミ・ライコネンの左フロントタイヤにトラブルが発生し、51周のレースの49周目に緊急ピットイン。すると直後に4位を走行中のセバスチャン・ベッテルの左フロントがパンク、50周目にタイヤ交換をしなければならなくなり、7位でフィニッシュする結果になった。タイトル争いのライバル、ルイス・ハミルトンは優勝、ベッテルが築いた20ポイントのリードはわずか1点に減ってしまった。
ピレリは決勝終了直後の見解として、どちらのタイヤもほぼ終わりかけていたが、2台に起きた問題は全く別物であると述べた。ライコネンのタイヤにはダメージが生じていたがエアが抜けてはいなかった。一方、ベッテルのタイヤはパンクしていたと、ピレリは説明していた。
その後、詳しい調査を行ったピレリは、ベッテルのトラブルについてその結果を発表した。ライコネンのトラブルに関してはさらなる分析が必要であり、結果は数日中に発表する予定であるという。
「ピレリは、イギリスGPのフィニッシュ2周前にセバスチャン・ベッテルを襲った、イエロー・ソフトタイヤの左フロントのダメージについての調査を完了した」と声明には記されている。
「日曜午後以来、明らかである思われたとおり、徹底的な調査の結果、トラブルの最初の原因はスローパンクチャーであることが確認された。その結果、空気が減ったタイヤ、後にフラットタイヤとなった状態でピットまで走ったことで、最終的な問題が生じた」
「キミ・ライコネンのダメージを受けたタイヤには何が起きたのかを示す形跡が比較的少なく、さらなるテストと分析をピレリの研究室およびインドアテスト施設で今も行っている段階である。最終的な結果にたどり着くには、あと数日を要する見込みだ」
ピレリは、ベッテルのタイヤになぜスローパンクチャーが発生したのかについては明らかにしていない。このタイヤは30周以上走ったものだったが、ベッテルは長く走り過ぎたことが問題の根本的原因だとは思っていない。
「タイヤは30周ぐらい走ったもので、確かに新しくはなかった。でも僕らの予想では、走り続けていても摩耗の点で問題はないはずだった」とベッテルが語ったとSky Sportsが伝えている。
「タイヤブローは突然起きた。僕らがギャンブルをし、レースリザルトを危険にさらすようなことをしたわけではない」