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悔しさを晴らせるか。雨絡みの予報のスーパーGT第4戦SUGO優勝予想は困難極まる

2017年07月21日 20:22  AUTOSPORT web

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先日のスーパーフォーミュラで悔しい思いをした国本雄資。このスーパーGT第4戦SUGOでも優勝候補
このSUGO戦を皮切りに、いよいよ真夏の3連戦がスタートするスーパーGT。SUGOの戦いはご存じの方も多いと思うが、とにかく波乱含みで展開が読みづらい。その中でも、GT500クラスは序盤戦で苦しんだチームが主役となりそうな雰囲気だ。

 6月に行われた事前のSUGO公式テストではWedsSport ADVAN LC500、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、そしてMOTUL MUGEN NSX-GTのヨコハマタイヤ勢がトップタイムを争う展開となり、このSUGOサーキットとの相性の良さを見せた。

 MOTUL NSX-GTの中嶋大祐も「リヤのトラクションもよく、フロントの回頭性もよくて、相反するように思えますがヨコハマタイヤはこのSUGOとの相性がいい。予選で2列目以内に入ることができれば、優勝を狙える展開になる」と、今週末に手応えを感じている。

 WedsSport ADVAN LC500の坂東正敬監督も「晴れればチャンスがある」と言うようにヨコハマ勢はドライでは主役になりそう。WedsSportで言えば、カテゴリーは異なるが国本雄資が先日のスーパーフォーミュラでトップを独走しながらサスペンショントラブルでリタイアと、悔しい出来事があったばかり。

 その国本は「そりゃあ、レース後は悔しかったですけど、僕は寝たら忘れるタイプなので(笑)。スーパーフォーミュラのことは引きずることなく、いつもどおりにここに来ています。SUGOテストはWECがあったので走っていませんが鈴鹿と富士のテストでは走っているので、テストでの好調をキープできていれば、そこからのプラスαもあるのでチャンスがあると思います。ただ、天候が不安定になりそうで難しいレースになりそうですね」と今週末の展望を話す。

 国本が話すように、今週末は雨の予報も出ており、さらにはドライになった場合も6月のテストの時より20度近く温度が高くなっていることもあり、どのチームにとっても厳しい戦いになりそうだ。

 ヨコハマ勢以外の有力候補としては、ARTA NSX-GT、KEIHIN NSX-GT、DENSO KOBELCO SARD LC500が挙げられる。その中でも、ARTAは前回のオートポリスでスタート前のウォームアップでトラブルが発生し、ピットレーンスタートからの巻き返しも、GT300との接触でリタイアとなってしまっただけに、このSUGOに懸ける思いは強い。


「優勝しかないです。前回のオートポリスのことは吹っ切れたわけではないですが、考えても仕方ないですし、レースなのでやるしかない」と話すのはARTAの小林崇志。

「このSUGOでのテストも、その後の鈴鹿でもクルマの感触は良かったですし、今週末は天候が不安定のようですが鈴鹿テストの雨での走行も良かったので、ドライでもウエットでも、どちらでもチャンスはあると思います」と、今週末への期待を語る。

 小林同様にオートポリスで悔しい思いをしたDENSOの平手晃平もこのSUGOではレクサス陣営の中でも上位の約半分の30kgとウエイトハンデが軽めで、有力候補の1台。また、KEIHINの地元でもあるSUGO戦で例年、好成績を挙げているKEIHIN NSX-GTも、ドライバーの塚越広大、小暮卓史ともにSUGOを得意としており、優勝候補に挙げられる。

 以上のチームに加え、このSUGO戦で2基目のニューエンジンを投入してきたニッサンGT-R陣営がどう絡むか。いつも波乱となるSUGO戦だが、今年は特に優勝候補が複数で予想が難しい。コース幅が狭いSUGOではまずは予選の順位が重要になるが、レースではGT300絡みで意外とオーバーテイクがしやすいサーキットでもあり、雨絡みの要素もあるので最後まで読めない展開となりそうだ。

 一方、GT300クラスもまた、今回の予想はかなり困難だ。通常であればこのコースはJAF-GT勢が無類の強さを発揮するコースであり、今回も“ドライなら”JAF-GTが上位を占める可能性が高い。

 2015年ウイナーで、昨年も2位を得たVivaC 86 MCの松井孝允は「ドライならもちろん優勝を狙います」と話す。ただ、VivaC 86 MCと同じセッティングを使い、ウエイトが少ないマッハ車検 MC86 GTNETの存在も要注目だ。

 ただ、今季JAF-GT勢はエアリストリクターに調整を受けていることもあり、昨年までの強さを発揮できない可能性もある。その点では今回TOYOTA PRIUS apr GTがリストリクター径が拡大されており、重量増がどう響くかだろう。

 また、予想を難しくしているのはこの週末の天候だ。雨の予報が出ており、そうするとGT300もタイヤが重要な要素となってくる。本降りの場合はブリヂストン、うっすらと濡れているときに速いのはダンロップ、そして今季ややウエットが苦手とされているのがヨコハマだ。そう考えると、ブリヂストンを履く31号車TOYOTA PRIUS apr GTが今回は好調かもしれない。

 とは言え、ウエットとなるとマシンの性能差が減り、GT3勢も侮れぬ存在になる可能性が高い。特にLEON CVSTOS AMGやARTA BMW M6 GT3といったBS装着車には要注目だろう。さらに雨量によっては、GAINER勢やHitotsuyama Audi R8 LMSといったダンロップ装着車も注目か。もしウエットがらみになった場合、“お天道様次第”になるかもしれない。