DTMドイツ・ツーリングカー選手権の舞台として毎年カレンダーにも組み込まれ、かつては欧州最大のオーバルコースとしてチャンプカーなども開催されたユーロスピードウェイ・ラウジッツ(ラウジッツリンク)が、2017年限りで一般営業を終了することが明らかになった。
ドイツ・ブランデンブルク州にあり、今季もDTMの第2戦が開催されたラウジッツリンクは、1周4.325kmのロードコースに加え、SBK世界スーパーバイク選手権など2輪レース開催時には4.297kmのレイアウトに可変。さらに外周には、かつてのチャンプカーやユーロ・ナスカーでも使用される3.256kmの"おむすび型"トライ・オーバルが備わっている。
しかし、このオーバルを含めた施設全体を、自動車関連企業で先進安全装備などの開発を手がけるサプラヤー、DEKRA(デクラ)社が買い取ることが発表され、11月1日付で運営を引き継ぎ、2018年以降はロードカー開発のテストコースとして生まれ変わることとなった。
DEKRAはすでにラウジッツリンク内にテストセンターを開設しており、その業務拡大を計画。技術イノベーションのテストトラックとして、コース西側に存在する高速周回路を含め、完全自律型の自動運転車の開発シミュレーションエリアとして改良されることが決まっている。
2016年にはレッドブル主催のエアレース会場にも選出され、今季もエアレース・ワールドシリーズとして9月17日に開催。そして主要モータースポーツ・イベントの最後を飾るのは、8月18~20日のSBK第9戦となる。
2000年にオープンしたこのラウジッツリンクは、インフイールドのトラックをDTMなどの主要なスポーツカーレースで使用。2001年、2003年シーズンには北米CARTシリーズが上陸し、外周のオーバルコースが公式戦で使用された。
しかし同時に悲劇的な事故の舞台としても記憶され、2001年には2度のCARTチャンピオンでもあったアレックス・ザナルディがピットアウト直後のクラッシュで両足を失う大事故に見舞われ、同年のシーズン開幕前には元F1ドライバーのミケーレ・アルボレートが、ル・マンに向けてアウディR8のテスト走行中にタイヤバーストからクラッシュ。命を落としている。