ERCヨーロッパ・ラリー選手権の次戦第5戦として、ポーランドの首都クラクフから東に150kmの都市ジェシュフを中心に開催されるターマック戦『ラリー・ジェシュフ』に、WRC世界ラリー選手権ドライバー、マッズ・オストベルグのエントリーがアナウンスされた。
8月3~5日に争われるこのオール・ターマック・ラリーを、WRCのドイツ、スペイン戦のテストとして活用する狙いで参戦を決めたオストベルグ。一方で、ERCにエントリーするジュニア・アンダー28選手権のドライバー陣にとってみれば、WRC優勝経験者とのマッチアップという最高のベンチマークが現れたことにもなる。
現在29歳のオストベルグはERCエントリーにあたり、WRCにも参戦した自らのチーム、アダプタ・モータースポーツでフォード・フィエスタR5をプリペア。本人が「とてもハイレベル」と認めるERCレギュラー勢との勝負に挑む。
「僕はERCの大ファンなんだ」と、笑顔で語ったオストベルグ。「才能を育てるには良いプラットフォームが必要で、ERCはまさに適している。イベントは良い長さだけど、バジェットはそこまで大きくなくてすむ。選手権のTV放映や広報体制がとても充実しているので、若い才能には理想的だと思う」
「カエタン・カエタノヴィッチのような、速くて経験豊富なドライバーと戦うのは簡単じゃない。ERCジュニアU28の選手たちについて多くを知っているわけじゃないけれど、そのレベルが非常に高いことは知っている。彼らのフィールドだし、そこはとても尊重しているけど、戦う準備はできているよ」
オストベルグのERC参戦は、ステージウインを獲得した2016年のラリー・イソラス・カナリアス以来となり、直近で新タッグを組むことを発表した25歳のスウェーデン人、パトリック・バースとの初めての公式戦ともなる。
「ラリー・ドイチェランドに向けて、新コンビのテストにもなる。ただし、このERCイベントにはラリー・フィンランドから間がなく、事前テストをする時間はない。新しいマシン、新しいラリー、新しいコ・ドライバーとのぶっつけ本番になるけれど、WRC後半戦のターマックイベントに向けて、いくつかのオプションを試す良い機会になるはずだ」