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澤圭太、WECニュルは4位完走。ランキング首位堅持に「チャンピオンも夢ではない」

2017年07月20日 12:52  AUTOSPORT web

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クリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTE
WEC世界耐久選手権は7月16日、第4戦がドイツ・ニュルブルクリンクで行われ、澤圭太の所属するクリアウォーター・レーシングはLM-GTEアマクラス4位でチェッカーを受けた。

 開幕戦シルバーストンでデビューウイン、第2戦スパ・フランコルシャンでもクラス3位表彰台を獲得し、シリーズのハイライトとなるル・マンでは、WECフル参戦チームの最上位となるクラス5位フィニッシュしたチームは、ランキング首位で第4戦を迎えた。

 金曜日の走り出しでは、オーナードライバーのウェン-サン・モクがニュルブルクリンクの走行経験がないことから、まずはコースの習熟走行を行い、その後エースのマット・グリフィンと澤がドライブした。

 予選日となった土曜は午前中のフリープラクティス3回目でグリフィンとモクが予選シミュレーション、澤が決勝用のバランスチェックを実施。

 ドライバー2名の平均タイムによってグリッドを決定する公式予選では、前半を担当したグリフィンが1分56秒131の3番手タイムをマークするも、モクのタイムが伸びず。アベレージタイムは1分58秒335となり、61号車フェラーリはクラス最後尾の5番手で予選を終えている。

 迎えた決勝日は朝から雨が降り、ウエットレースになると思われたが、スタート時刻が近づくにつれ天候は回復。路面もスリックタイヤでスタートできるほど乾いていた。

 スタートを担当した澤は1コーナーで86号車ポルシェ911 RSRを交わし4番手にポジションアップすると、77号車ポルシェ911 RSRと54号車フェラーリ488 GTEが繰り広げる2番手争いに加わっていく。

 前の2台が激しく競り合うなか、タイヤと燃費を温存しながら様子をみていた澤は2台が並走した隙を突いて77号車ポルシェを交わし3番手に浮上。さらにバトルでタイヤを使い、ペースの落ちた54号車フェラーリに最終コーナーで並びかけると1コーナーでオーバテイクし、98号車アストンマーチン・バンテージに次ぐ2番手となった。

 その後、モクに替わった61号車フェラーリはピット作業での遅れやコースアウトによるタイムロスなどでクラス4位に後退。モクからバトンを継いだグリフィンが3番手まで挽回するも、モクの2度目のドライブ中にピックアップの症状が出てしまいペースダウン。ふたたび5番手となってしまった。

 チェッカーまで残り2時間、再度澤にバトンタッチし挽回を目指す61号車フェラーリだったが、LM-GTEプロクラスの97号車アストンマーチンと66号車フォードのバトルに巻き込まれ、本来のペースが発揮できない状況に。

 それでも4番手の86号車ポルシェに肉薄する位置まで迫った澤は、最後のスティントをグリフィンに託す。アンカーのグリフィンはGTEプロクラスのマシンをも凌ぐハイペースで周回を重ね4番手を走行。その勢いのまま表彰台圏内を目指したが、1ラップダウンとなっている状況では挽回が難しく、第4戦は4位でチェッカーを受けることとなった。

「スタートドライバーは開幕戦のシルバーストン以来でしたが個人的には納得のスティント、頭も使った会心の走りができたと思っています」と語った澤。

「WEC前半戦とル・マンを経て、世界レベルのドライバーたちと、技術も意識も対等に戦える感触がより強く感じられています」

「9月からはメキシコ、アメリカと知らないサーキットでのレースが続き、チームもウェンも不利な点をどれだけ最小限に留めるか、決勝でのロスの積み重ねをいかに抑えるかが鍵になるはずです。僕も自分のできることでチームに貢献しながらさらに成長していきたいと思っています」

「僕らのチームがシーズンをリードしていること自体、実は驚くべき状況なのかもしれませんが、シーズン序盤にチームが良いレースをしてきた結果であり、このままこの調子を持続すれば本当にチャンピオンとなることも夢ではないはずです」

「その為にも次の北米2連戦はチームの今季を占う意味でも非常に大切で、どんな形で自分たちのディスアドバンテージがなくなるアジア決戦(第7戦富士、第8戦上海)に戻ってこれるかに、ぜひ注目をしていただきたいですね」

 WECの次戦は9月2~4日、メキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで第5戦が行われる。