声優の上坂すみれさん(25)への殺害予告をネット掲示板に投稿したとして、山形県の高専生の男性(20)が逮捕された。時事通信などが報じた。
男性は先月6月2日から5日にかけて、インターネット掲示板「2ちゃんねる」で上坂さんを「絶対ぶっ殺す」など投稿し、所属事務所の業務を妨害した疑いがかけられている。男性は容疑を認めていて、上坂さんのファンだったと話しているという。
過去には水樹奈々さん、三森すずこさんなど、多くの女性声優が被害に
女性声優への殺害予告や脅迫、嫌がらせの書き込みは、これまでも数多くの事例がある。今年2月には水樹奈々さんへの殺害予告を繰り返したとして、ファンの男性(32)が逮捕されている。
昨年11月末には、水瀬いのりさんのツイッターに嫌がらせのリプライを大量に送った、台湾在住の男性が書類送検、一昨年2015年には、三森すずこさんを脅迫する書き込みをしたとして、東京都の男性(22)が逮捕された。ほかにも潘めぐみさんや喜多村英梨さんらも被害に遭っており、挙げればきりがない。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、声優への殺害予告や嫌がらせが相次ぐ背景について、次のように語る。
「声優はデビュー時から、SNS、ネットラジオや動画配信など、インターネットを中心に活動する人が多いです。ファンはそれらをスマホやPCで視聴しますが、そこで、まるで自分にだけ語りかけてくれているような錯覚を起こし、疑似恋愛の感情を抱いていく傾向があるようです」
嫌がらせのリプライを送るのは「自分に振り向かせたい」から
特に女性声優への嫌がらせが目立つ理由については、「あくまでも憶測」と前置きした上で
「男女の違いなんでしょうか。女性は、だめなものはだめだと割り切れる人が多いですが、男性は、力ずくでも振り向かせて見せるといった、粘着質の強い人が多いような気がします。ツイッターなどのSNSで嫌がらせのリプライを送る男性ファンが多いのも、自分に振り向かせたい、これだけ好きって言っているのにちゃんとした返事が無いといった身勝手から生じているのでしょう」
と自論を述べた。
ファンであるにも関わらず殺害を企てるのは、「人のものになるくらいなら自分の手で、という心理でしょう」と見る。昨年5月、小金井市のライブハウスで起きたストーカー殺人未遂事件にも通ずるところがあると分析する。
上坂さんの所属するスペースクラフトは7月19日18時時点で、今回の事件に対するコメントはまだ出していない。