GTレース:FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦、ニュルブルクリンク/ドイツ
ニュー911 RSRが2つの表彰台を獲得
カスタマーチームはクラス優勝
ドイツ.ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のニューポルシェ911 RSRは、2017年のFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ニュルブルクリンク6時間レースのLM-GTEプロクラスで2位および3位を獲得いたしました。
ヴァイザッハのポルシェ・モータースポーツが今シーズンのために新たに開発した510PSのポルシェ911 RSRは、ホームレースにおいて91号車のリヒャルト・リーツ(オーストリア)/フレデリック・マコウィッキ(フランス)組は、5万2000人の観衆が見守るなかを2位で、92号車のステアリングを握るミハエル・クリステンセン(デンマーク)/ケビン・エストル(フランス)組が3位でゴールしました。
LM-GTEアマクラスでは、デンプシー・プロトン・レーシングチームから911 RSRを駆るポルシェ・ヤングプロフェッショナルのマッテオ・カイローリ(イタリア)が世界選手権で初優勝を飾りました。
ニュルブルクリンクのグランプリサーキットを黒い雲が覆うなか、29台の出場車が6時間レースのスタートを切りました。普段は変わりやすいアイフェルの天候もレース中にはほとんど変化がなく、時折の雨もレースに影響を与えることはありませんでした。
ポールポジションからのスタートにもかかわらず92号車のミハエル・クリステンセンはフロントを維持できず、ブレーキミスによって1周目で4番手に後退します。
しかし、91号車を駆るチームメイトのフレデリック・マコウィッキが2番手に浮上し、その後首位に立ちます。最初のピットストップの後は、92号車のケビン・エストルが首位に立ち、91号車のリヒャルト・リーツは3番手を走ります。
異なるピットストップ戦略によって、レースを通して2台の911RSRがポジションを入れ替えながら中盤までトップを守ります。
ゴールまでわずか2時間半の時点でこの状況が変わり、フェラーリが首位に立ちます。911 RSRは一貫したラップタイムで2番手と3番手を堅実に維持し、そのままゴールしました。
GTEアマクラスでは2015年モデルの911 RSRでデンプシー・プロトン・レーシングチームから出場したポルシェ カスタマーチームがシーズン初優勝を飾りました。
77号車のステアリングを握るポルシェ・ヤングプロフェッショナルのマッテオ・カイローリ(イタリア)とクリスティアン・リード(ドイツ)/マービン・ディエンスト(ドイツ)組は、シルバーストンのシーズン開幕戦3位、スパで2位と着実に順位を上げて、今回は見事に勝利を獲得しました。
FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦は9月3日にメキシコシティ/メキシコで開催されます。
レース後のコメント
ポルシェ・モータースポーツ責任者のフランク=シュテッフェン・バリサー博士
「今日はすばらしいレースでした。ファンにとっては喜ばしいことにGTクラスは非常に熱のこもった戦いになりました。GTEプロクラスは、1周平均0.3秒未満の差の勝負となりました」
「2位と3位を獲得できて本当にうれしいです。ニュー911 RSRの初優勝も手の届く範囲になりました」
「カスタマーチームのデンプシー・プロトン・レーシングチームからGTEアマクラスでWEC初優勝を飾ったポルシェ・ヤングプロフェッショナルのマッテオ・カイローリ(イタリア)には特に感銘を受けました」
「919ハイブリッドの成功も考えると、ポルシェにとってはほぼ完璧なニュルブルクリンクとなりました」
リヒャルト・リエツ(911 RSR #91)
「我々にとってすばらしいレースとなりました。戦略は完璧でした。古いタイヤでスタートし、ダブルスティントを新品タイヤで走ってゴールしました」
「基本的にこの戦略が功を奏しました。チームはすばらしい仕事をしてくれました。2位と3位は期待以上でした。シーズン序盤から大幅に進歩して本当にうれしいです」
フレデリック・マコウィッキ(911 RSR #91)
「表彰台に登れてうれしいです。タフなレースでした。ル・マンでもニュー911 RSRは好調で、ここでも一貫したラップタイムで走ることができました」
「最初のスティントで首位に立ちましたが、後半、特に終盤のスティントはフェラーリが少し速かったようです。それが今日の差でした」
「間もなくニュー911 RSRで初優勝を飾ることができると思います。できる限り早く達成するつもりですが、おそらくそれは次のメキシコになります」
ミハエル・クリステンセン(911 RSR #92)
「チ-ムとポルシェにとって良い日になりました。もちろんポルシェの地元であるここニュルブルクリンクでは優勝を飾りたかったですが、今日はかないませんでした」
「新しいタイヤを装着した911 RSRの走りは抜群でした。ただダブルスティントでは最速ではありませんでした。これを解決して次のレースではさらに一歩前進したいと思います」
ケビン・エストル(911 RSR #92)
「今シーズンのこれまでの3戦を越えて、すばらしいレースとなりました。ポールポジションからスタートしましたが、ニュー911 RSRの初優勝には至りませんでした」
「ダブルスティントではフェラーリが強力でした。他のライバルとは互角以上の熱い戦いができました。我々のステップアップはすばらしく、後の対策は小さなことだけです。初優勝は時間の問題です」
マッテオ・カイローリ(911 RSR #77、デンプシー・プロトン・レーシングチーム)
「ポルシェのホームレースでWEC初優勝できて本当にうれしいです。最高です。GTカテゴリーにおける世界最高峰のレースで911 RSRのステアリングを握るチャンスを与えてくれたポルシェとデンプシー・プロトン・レーシングチームに感謝します」
「夢が今日実現しました。フェラーリに追走された終盤はこれまでで一番タフな経験となりました。わずか数秒差でした。チーム全員からの見事なサポートに感謝したいと思います」
レース結果
LM-GTEプロクラス
1.カラド/ピエール・グイディ(イタリア/イタリア)、フェラーリ488 GTE、179周
2.リエツ/マコウィッキ(オーストリア/フランス)、ポルシェ911 RSR、179周
3.クリステンセン/エストル(デンマーク/フランス)、ポルシェ911 RSR、179周
4.ティーム/ソーレンセン(デンマーク/デンマーク)、アストンマーチン、178周
5.プリオール/ティンクネル(イギリス/イギリス)、フォードGT、178周
6.ミュッケ/プラ(ドイツ/フランス)、フォードGT、178周
7.ターナー/アダム/セラ (イギリス/イギリス/ブラジル)、アストンマーチン、178周
8.リゴン/バイランダー(イタリア/スウェーデン)、フェラーリ488 GTE、173周
LM-GTEアマクラス
1.リード/カイローリ/ディエンスト(ドイツ/イタリア/ドイツ)、ポルシェ911 RSR、174周
2.フロール/カステラッチ/モリーナ(スイス/イタリア/スペイン)、フェラーリ488 GTE、174周
3.ダラ-ラナ/ラミー/ラウダ(カナダ/ポルトガル/オーストリア)、アストンマーチン、174周
4.モク/澤/グリフィン(マレーシア/日本/アイルランド)、フェラーリ488 GTE、173
周
5.ウェインライト/バーカー/フォスター(イギリス/イギリス/イギリス)、ポルシェ911 RSR、173周