2017年07月19日 12:43 弁護士ドットコム
「高校生の息子が同級生から現金を要求(かつあげ)されていたそうです」。そんな相談が弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられました。
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相談者によると、同級生から5か月の間、複数回に分けて計6万8千円をカツアゲされたそうです。相手の対応次第では警察に訴えることも考えていますが、「警察はこの金額でも取り扱ってくれるのか」と相談を躊躇しているようです。
高校生同士で起きたカツアゲに対し、どう対応したらいいのでしょうか。東山俊弁護士に聞きました。
子どもがカツアゲを受けたら、まずどこに相談をしたら良いのでしょうか。
「同級生に脅されて現金を渡した場合、その同級生の親と直接話をする、学校に相談する、警察に相談するという3つの方法が考えられます。
その中でどの方法を選ぶべきかですが、私は、まず学校に相談するべきだと考えます。
学校に相談すれば、学校内の環境や同級生との人間関係の改善に取り組んでくれることが期待できますし、親同士の話し合いを仲介してくれる場合もあるため、同級生との関係や渡した現金の返済等の問題が一挙に解決することもあるからです。
親同士の話し合いという方法は、うまく行けば一気に解決に向かう可能性もありますが、互いに感情的になり、かえって状況が悪化する可能性もあります。また、警察は、そもそも犯罪の捜査をするための組織であり、同級生との関係や金銭の返済等に直接かかわってくれる訳ではありません」
学校に相談したところ、学校が事実を隠ぺいしたり、事情を確認できなかったとしたりして、思うような解決につながらなかった場合はどうすべきでしょうか
「その場合には、教育委員会に相談し、学校の方針を変更させることが考えられます。
それすら難しい場合には、警察に相談し、犯罪であることを明らかにしてもらった上でもう一度学校と話し合うという方法も考えられます」
警察に相談した場合、すぐに警察は動いてくれますか。
「警察は、犯罪の疑いがあると判断して初めて動いてくれますので、証拠がなければ動いてくれないことが多いでしょう。例えば、息子さんが同級生に脅されている内容の録音やメール等が証拠となります」
警察が捜査した場合、同級生はどのような処分になるのでしょうか。
「息子さんが脅されて現金を渡したのであれば、同級生には恐喝罪が成立します。
同級生は未成年でしょうから、少年法が適用され、家庭裁判所の処分を受けることになります。ただし、今回のケースでは金額がそれほど高額ではありませんので、余罪があるといった例外的な場合でなければ、すぐに少年院ということはなく、反省や弁償といった事情次第では、特に処分はされないことが多いでしょうし、重くても保護観察を受ける程度でしょう」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
東山 俊(ひがしやま・しゅん)弁護士
東山法律事務所所長。大阪弁護士会所属。家事事件はもちろん、一般民事事件や刑事事件も幅広く取り扱っている
事務所名:東山法律事務所
事務所URL:http://www.higashiyama-law.com/