IMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップ(WSCC)に参戦しているマツダ・モータースポーツは7月19日、2018年のWSCCにヨースト・レーシングと協力し、『マツダチーム・ヨースト』として参戦すると発表した。
1999年から2016年までWEC世界耐久選手権にアウディスポーツ・チーム・ヨーストとして参戦してきたヨースト・レーシング。これまでル・マン24時間では通算16度の総合優勝を飾っているほか、デイトナ24時間、セブリング12時間でも複数回の総合優勝を手にしている耐久レースの名門だ。
また、2017年シーズンのWSCCに2台のRT24-Pを投入しているマツダは、2017年シーズンはこれまで7戦中3戦で総合3位を獲得する活躍をみせているほか、デイトナ24時間では通算22回のクラス優勝を獲得。セブリング12時間でも13度のクラス優勝を成し遂げている。
そんな両者が2018年シーズンからコラボレーション。シリーズを制圧しているキャデラックDPi-V.RやニッサンDPi-V.R勢を相手にシリーズチャンピオンを目指す。
「マツダが1964年に初めてレースカーを走らせて以来、私たちの”飽くなき挑戦”精神は、レースに参戦し続け、勝利とチャンピオンシップタイトルを獲るために力を尽くすと言う意味で使っています」と語るのはマツダモーターオブアメリカ(マツダUSA)の毛籠勝弘社長兼CEO。
「マツダチーム・ヨーストの設立は、プロトタイプカテゴリーで最高の実績があるチームとパートナーシップを締結する特別な機会であり、マツダを表彰台の中央に戻すチャンスを与えてくれます」
「私はヨーストの皆さまをマツダファミリーとして大歓迎します。私たちは、今後マツダのモータースポーツにおける成功のヒストリーにさらに多くのページを書き込むことになるでしょう」
■マツダ、2017年残り3戦は欠場。2018年に万全を期す
ヨースト・レーシングを率いるラルフ・ユットナーも「マツダと新たな挑戦が始められることを嬉しく思っているし、誇りに感じている」とコメントしている。
「マツダはモータースポーツ界において長い歴史を持っているし、特にアメリカでは多くの熱狂的なレースファンを生み出す土壌を作り上げてきた」
「今回の提携は、私たちにとっては長く親しんできたアメリカンレースへの復帰となり、いつも温かく応援してくれた日本のレースファンにとっても大きなニュースになると思っているよ」
最後にマツダUSAでモータースポーツを統括するジョン・ドゥーナンは「これまで我々と活動してきたスピードソース・レースエンジニアリングには心からの感謝を伝えたい」と語った。
「彼らはあらゆるレベルのモータースポーツで、20年以上に渡り素晴らしい活躍を残してくれた。マツダとスピードソースとの友好関係は根強いもので、これからも関係は変わらないよ」
なお、マツダはチーム・ヨーストとのコラボレーションの効果を最大限に引き出し、万全の体制を整えるべく、2017年シーズン残りの3戦は欠場。近日中にも2018年シーズンに向けたRT24-Pの開発テストを開始する予定だ。
マシンのボディワークのコンセプトは引き続き日米のマツダ・デザイナー陣が制作し、AER製の直列4気筒ガソリンターボエンジン『MZ-2.0T』を継続使用。RT24-Pの開発に携わったマルチマチックも、引き続きシャシーの改良・改善をリードしていくという。
なお、開発ドライバーはマツダと契約しているジョナサン・ボマリート、トリスタン・ヌネス、トム・ロング、ジョエル・ミラーの4名が務めるが、2018年のドライバーラインアップについては現時点では未定だ。