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窪田正孝×永野芽郁、11歳差の掛け合いに期待 『僕たちがやりました』は今期最大の注目作だ

2017年07月18日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 窪田正孝が主演を務める、関西テレビ・フジテレビ系火曜9時新ドラマ『僕たちがやりました』が、7月18日に第1話の放送を迎える。28歳の窪田正孝が高校生役で主演を務めることや、物語の中心人物となる凡下高校に通う高校生(とOB)を演じた、窪田、間宮祥太朗、葉山奨之、今野浩喜の4人が、主題歌を担当するDISH//とスペシャルユニットを組んで音源を発表するなど、放送前から早くも大きな話題を呼んでいる。ここでは、第1話の放送に向けて、『僕たちがやりました』が今期ドラマの中でも最大の注目作であることを、いくつかのポイントとともに紹介していきたい。


参考:窪田正孝ら、新田真剣佑に謝罪!? 『僕たちがやりました』制作発表会見レポ


■関西テレビ「火曜9時枠」としての新しさ


 2016年の10月クールに放送された、吉田羊主演ドラマ『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』より、それまでの22時スタートだった枠から、1時間前倒して21時スタートとなった関西テレビ制作の火曜連続ドラマ枠。これまで放送されてきた作品を振り返ってみると、『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』にはじまり、草なぎ剛主演『嘘の戦争』、小栗旬主演『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』と、重厚感のあるミステリーやサスペンスといった趣が強く、ドラマ視聴者層の王道であるF1層(20~34歳の女性)やM1層(20~34歳の男性)よりも上の層を意識している印象が強かった。


 しかし、今回の『僕たちがやりました』は、放送枠移動後、初めて高校生が主人公のドラマだ。キャストのフレッシュさを見てもわかるように、より若い層をターゲットにしていることがうかがい知れる。Twitterの番組公式アカウントはもうすぐ10万フォロワーに到達する勢いで、今期ドラマ公式Twitterアカウントの中では、今回が3rd seasonで既に固定ファンがついている『コード・ブルー』の約14万フォロワーを除いて、頭ひとつ飛び抜けたフォロワー数を既に獲得している。このことからも、SNSなどでティーン層を中心に大きな話題になることは間違いないだろう。


■連続ドラマ化に適した原作コミックの内容とその面白さ


 さらに、原作がないオリジナル脚本だったこれまでの3作品と違い、『僕たちがやりました』は『週刊ヤングマガジン』で連載されていた、『神さまの言うとおり』の金城宗幸が原作、『ヤンキー塾へ行く』の荒木光が漫画を担当した同名コミックが原作。何事も“そこそこ”で生きていければいいと思っていた凡下高校の2年生・増渕トビオたちだったが、ちょっとしたいたずら心でヤンキー高校の不良たちをターゲットに企てた復讐が爆破事件に発展してしまう。“爆破事件の容疑者”になったトビオたちは、“逃げる”ことを選ぶのだった……。


 これは作者たちもその大きな影響を公言していることだが、『僕たちがやりました』には、『行け!稲中卓球部』のようなギャグのキレ具合があるのはもちろん、『ヒミズ』や『シガテラ』のようなシリアスさもあり、古谷実作品に通じる部分がある。古谷実作品の主人公は、大抵どうしようもないやつばかりだが、『僕たちがやりました』に登場するキャラクターもほぼ全員がどうしようもない。人はギリギリに追い詰められてしまった時、一体どのような行動を起こすのか。読み進めていくに連れて登場人物たちの葛藤や内面に抱えているものがあらわになっていき、クズだと思っていた彼らに感情移入したり共感したりもしてしまう。そういった意味では、全9巻という原作のコンパクトさもさることながら、スピード感がある話の展開は、連続ドラマにするには適している題材だと言えるだろう。


■思い切ったキャスティング


 人気コミック原作の実写化となると、どうしても避けられないのが、登場するキャラクターと演じる役者のイメージの違いだ。連載時から原作コミックを読んでいた筆者にとって、やはり実年齢28歳の窪田正孝が高校2年生の主人公・トビオを演じることや、密かにトビオに想いを寄せている幼馴染の蓮子役(スタイル抜群でちょっとエロい)が永野芽郁という配役ちょっと違うんじゃないか……とも思ったが、一足先に試写で第1話を鑑賞したところ、そんな考えは杞憂でしかなかった。28歳の窪田は不思議と高校生に見えてしまうし、そんな窪田とは11歳も年が離れている永野に関しても、なんの違和感もない。この年の差こそが、2人のちょうどいいバランスとして機能しているのかもしれない。


 そのほかにも、ティーンムービーに引っ張りだこで、彼らが出ているだけでもう安心感のある新田真剣佑と間宮祥太朗、ビジュアルの時点で間違いない葉山奨之と今野浩喜、第1話からお色気シーンに挑んでいる川栄李奈など、各キャストがそれぞれのキャラクターできちんと存在感を示しているのも、大きな見どころになるだろう。先日行われた制作発表会見でもその一端を垣間見ることができたが、特に、窪田、間宮、葉山、今野の4人が繰り広げるくだらないやり取りの数々は、その役柄を演じていることを彼ら自身も楽しんでいることがひしひしと伝わってくるような、おバカで微笑ましいシーンになっている。余談だが、吉村界人、山田裕貴、岡崎紗絵といった、映画ファンにとって「おっ!」となるような脇役にも注目だ。


 ストーリーは基本的に原作の内容に沿ったものになりそうだが、ドラマには、水川あさみ演じる教師・立花菜摘と、板尾創路演じる弁護士・西塚智広という2人のオリジナルキャラクターが登場する。第1話では水川演じる立花が今後大きな鍵を握りそうな気配を漂わせているだけに、原作ファンにとっても注目の作品になりそうだ。(宮川翔)