2016/2017年のフォーミュラEは7月16日、第10戦ニューヨークePrixの決勝レースが行われ、サム・バード(DSヴァージン・レーシング)が優勝。ニューヨークePrix2連勝を飾った。
前日の第9戦を制したバードは、第10戦のポールポジションを決めるスーパーポールセッションでレコードタイムを更新。フェリック・ローゼンクビスト(マヒンドラ)を0.037秒上回ってポールポジションを獲得した。
迎えた決勝スタートでは、2番グリッドのローゼンクビストが好スタートをみせ、1コーナーのヘアピンでバードを交わして首位に浮上。僅差の2番手にバードが続く展開となる。
ローゼンクビストとバードによる首位争いは僅差のまま11周目へ。すると、ヘアピンの6コーナーへの進入でバードがローゼンクビストのイン側へ飛び込むと、そのままオーバーテイク。ポジション奪還に成功した。
これで前が開けたバードはペースを上げてライバルの追従を許さず。途中、チームメイトのアレックス・リン(DSヴァージン・レーシング)がコース上でストップしてフルコースイエローとなり、ギャップがリセットされる場面もあったが、最終的に11秒もの大差で優勝を奪った。
「僕だけでなく、チームにとっても最高の週末になったよ!」とバード。
「この週末、マシンはとにかく最高だった。予選では羽が生えたような速さだったし、決勝でも完璧にエネルギーコントロールができた。これまでで最高のマシンを用意してくれたチームに感謝している」
「ニューヨークでレースができるなんて、フォーミュラEだけでなくモータースポーツ全体にとっても歴史的な週末だった。そんな歴史的レースで連勝できたなんて、本当に特別だよ」
2位はローゼンクビスト、3位はニック・ハイドフェルドのマヒンドラ勢が獲得。チームは一時、バッテリー残量の厳しかったローゼンクビストに代わり、ハイドフェルドにトップを追わせるべく順位を入れ替えたが、この戦略は失敗。レース終盤にふたたびローゼンクビストを2番手に戻している。
4位はセバスチャン・ブエミに代わり、ルノー・e.ダムスから参戦したピエール・ガスリー。ガスリーはフォーミュラE参戦2戦目で表彰台目前につける走りをみせた。
レース後、ガスリーは週末を「まったく新しい経験ができ、とてもポジティブな週末だった」と振り返っている。
「フォーミュラEは、これまでドライブしてきたマシンとまったく違うから慣れるのは簡単ではなかった。ただ、こういった経験豊富なドライバーたちと接近戦ができるのは、ドライバーにとっては魅力的なんだ」
2016/17年シーズンのフォーミュラEは残り2戦。7月29~30日に行われるダブルヘッダーのモントリオールePrixで、シリーズチャンピオンが決定する。