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速さを見せるも運が味方しなかった琢磨「もっとチャンスがあった。悔しいです」

2017年07月17日 12:22  AUTOSPORT web

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上位を争う速さを見せながら下位に終わった佐藤琢磨
「次のトロントではいい流れをぐっと取り戻したいですね‥‥」

 佐藤琢磨は前戦のアイオワでこう言っていた。ここ数戦は悪い流れが続き、チャンピオンシップを争う上でも、そろそろ上位に返り咲かなくてはいけない。過去このトロントでは表彰台こそないが、昨年は内容の濃いレースで5位完走を果たしている。


 アンドレッティ・オートスポートは昨年ここで苦戦していたが、今年はプラクティスからペースは悪くなく4台のいずれもが前にきてもおかしくない仕上がりだった。それよりも驚きだったのはペンスキー勢の圧倒的な速さで予選でも上位を席巻し、最後にグラハム・レイホールとスコット・ディクソン、ジェイムズ・ヒンチクリフなどが食い込み、ホンダ勢が一矢を報いた形だった。

 琢磨は、Q2の最後の赤旗でペースを乱した。Q2再開後のアタックラップで順位を落としQ2突破ならず。総合10番手のグリッドになってしまう。実際にはもっと上を狙えるスピードがあったのだが……。

 それでも決勝前のウォームアップでも好感触を得て、レースでは十分に上位進出が狙える仕上がりだった。

 85周のレースがスタートすると、1周目のターン3のディクソンとパワーの接触も回避して7番手に浮上、出だしは悪くなかった。


 前を行くチームメイトのアレクサンダー・ロッシ、その前のヒンチクリフをプッシュしたいところだったが、ロッシがヒンチクリフを攻略出来ずレースが膠着した。

フューエルウインドウに入るやニューガーデン、ヒンチクリフ、ロッシらは早めにピットに入るが琢磨はステイアウトしてペースを上げる。

 しかし、ここで不運が襲った。23周目にカナーンがターン1でストップするとイエローコーションとなり、ピットに入っていなかった琢磨にとっては最悪のタイミングになってしまったのだ。

 イエローの間にピットに入りコースに戻って来た時には18位まで後退。ここから追い上げるしかなくなった。

 レース再開後、ペースを上げてターン3でスペンサー・ピゴットを抜こうとアウトからいくと、ピゴットとウォールに挟まれる形で接触! タイヤとフロントウイングを交換することになり、またしてもピットに入ることに。ピットアウトした際にラップダウンにならなかったのは、まさに不幸中の幸いだった。


 琢磨の真後ろをトップに立ったニューガーデンが襲ってきたが、ニューガーデンは琢磨のペースに追いつけなかった。

 それほどの速さがありながら、上位に上がれなかったのは、今日のレースは運がなかったとしか言いようがないだろう。

 レース終盤には2台をかわし、16位でのフィニッシュとなったが、本当に惜しいレースとなった。優勝したのはピットタイミングの良かったニューガーデンで、2位にはロッシ、3位はヒンチクリフと琢磨と順位を争っていたドライバーだ。タイミングさえうまく合えば、表彰台は間違いないレースだった。まさしく後の祭だ

「クルマも順調に仕上がっていて、Q2は残念でしたけど、朝のウォームアップで7番手とはいえ、区間タイムだけ見るとトップ3になってましたし、レースは楽しみにしていました。雨の予報もありましたけど、降るなら降ってくれたほうが、もっとチャンスがあったかもしれませんね。レース後に降ってきても遅いんだよなぁ(苦笑)。あ~悔しいです」

 ストリートコースはこのトロントが今年の最後。この後はミドオハイオのロードコースとなる。インディカーシリーズは8月~9月で大詰めとなるが、ここらで琢磨の奮起を期待したい。