7月16日現地時間13時、イギリスGP決勝が行なわれた。決勝前にはドライバーズパレードに続いてウイリアムズとルノーの40周年記念デモ走行が行なわれFW14Bやテスト車両6輪車FW08B、まさしく40年前の1977年7月16日にここシルバーストンでデビューしたルノーのRS01などが走行して歓声を受けた。
空は朝から雲に覆われているものの、雨は降ってこない。気温も比較的暖かく、気温は21度、路面温度は27度というコンディションでの決勝スタートとなった。
トラブルのためマシンを止めQ1敗退となったダニエル・リカルドは予選後にパワーユニット一式を交換し、MGU-Hが今季5基目となったため追加で10グリッド降格ペナルティが科されたが、フェルナンド・アロンソが30グリッド降格を受けているため19番グリッドのままで変わりない。
上位ではバルテリ・ボッタスのみがソフトタイヤ、14位以下は最後列のリカルドとアロンソ以外の全車がソフトタイヤでスタートし、それ以外はスーパーソフトタイヤでスタートに臨む。
パーマーは母国GPで11番グリッドを獲得したにもかかわらずフォーメーションラップでハイドロトラブルが発生しハンガーストレートにストップ。これでエクストラフォーメーションラップとなりレースは51周に減算される。
ポールポジションのはルイス・ハミルトンは無難なスタートで首位を守るが、3番グリッドのベッテルはホイールスピンが多くフェルスタッペンに先行される。ターン3で再逆転するもののフェルスタッペンはターン4~5でアウト側に並びかけて3位を奪い返した。
マゴッツでカルロス・サインツJr.に並びかけていったダニール・クビアトはベケッツのアプローチがオーバースピードとなりイン側をカットしてバランスを崩し、サインツのマシンに追突。
サインツはたまらずスピンしてリタイアとなり、クビアトはピットに戻って最下位まで下がる。この事故処理のためセーフティカーが導入され、レースは5周目に再開された。この間にザウバーのパスカル・ウェーレインは2回ピットインをしてスーパーソフトの使用義務を消化しながらソフトタイヤに戻し、実質ノンストップ作戦を採ってきた。
13位まで上がっていたリカルドは5周目のウッドコートでコースオフして18位まで後退し、もう一度最後尾から1台ずつパスしていくことを余儀なくされる。
一方でボッタスは早くもフォース・インディア勢を交わして6位。7周目にはニコ・ヒュルケンベルグも交わして5位まで浮上してきた。
4位ベッテルはなかなか3位フェルスタッペンを1秒差で追うもののパスすることができずタイムロスを喫する。
13周目のストウでベッテルはインに飛び込んでサイドバイサイドでターンインするが、フェルスタッペンはコースオフしながらも譲らず、ターン16でベッテルを押し出すような形でポジションを堅持。ベッテルはこれに対し手を挙げて抗議する。
ハミルトンは首位を快走するが2位ライコネンも好ペースを維持して3秒差で続く。3位フェルスタッペンは16秒離されベッテルもそれに付き合わされる。
5位ボッタスもその後方でチャンスを窺う。ベッテルは18周目にピットに飛び込み、フェルスタッペンも翌周ピットインするが左リヤのホイールナットに手間取りアンダーカットを許してしまった。
ここから各車のピットストップが始まり、フェリペ・マッサだけがスーパーソフト、それ以外はソフトタイヤに交換していく。後方ではアロンソが20周目にピットインし2周後にピットインしたストロールをアンダーカットすることに成功した。
レース冒頭にピットストップを済ませたウェーレインの後方16位でコースに戻るが、すぐにこれを抜いて順位を上げていく。
しかし、31周目にストロールに抜かれ、燃圧の低下が原因で「パワーを失った」と翌周ピットに戻りリタイアしてしまった。9位バンドーンも26周目にピットインするが前周ピットインしたマッサにアンダーカットされてしまう。
ソフトタイヤでスタートしたボッタスは第1スティントを引っ張ってハミルトンの後方2位まで上がり、32周目にピットインしてベッテルの後方4位に下がる。
6位ヒュルケンベルグ以下はトップから60秒以上離れ、リカルドがフォース・インディア勢をパスしてこれを追いかけていく。ピットストップを遅らせて7位まで上がっていたマグヌッセンは37周目にピットインしてストロールの後方に下がり、バンドーンは11位を走行する。
42周目、ボッタスはハンガーストレートでベッテルに追い付きストウでアウト側に並ぶがワイドになり一旦は諦める。
しかし、ベッテルは続くターン16でフロントを大きくロックさせてしまいフラットスポットを作る。43周目のハンガーストレートで再びスリップについたボッタスは易々とベッテルを抜いて3位に上がった。一方のベッテルはフロントタイヤが限界だと訴えてペースを落とす。
49周目、左フロントタイヤ表面のゴムが剥がれてしまったライコネンがスローダウンし、ボッタスが2位に浮上。ライコネンとフェルスタッペンがピットインしてタイヤを交換。
すると50周目にはなんとベッテルの左フロントタイヤがイン側のブリスターからエアが抜けて完全にパンク。スロー走行でピットインを余儀なくされ、7位まで後退してレースを終えた。
これによって3位ライコネン、4位フェルスタッペン、5位リカルド、6位ヒュルケンベルという順位になり、フォース・インディア勢は1周遅れながら8位・9位でダブル入賞を果たし、10位にマッサ。バンドーンは4秒及ばず惜しくも11位でノーポイントに終わった。
首位ハミルトンは全く危なげのないレース運びで51周を走り切り、4年連続のイギリスGP優勝。イギリスGP最多タイとなる5勝目を挙げた。