イギリスGPでホンダがフェルナンド・アロンソのパワーユニットを以下のように交換した。
■金曜日
ES(5基目)
■土曜日
ICE(6基目)
TC(8基目)
MGU-H(8基目)
MGU-K(6基目)
長谷川祐介ホンダF1総責任者は交換の理由を次のように説明している。
「エンジンを交換するのは、現在のわれわれの戦闘力を考えると次のハンガリーGPのほうがポイントを取れる確率が高いので、ペナルティを受けたくないからです」
ただし、イギリスGPの金曜日にアロンソが走らせたICEは、アゼルバイジャンGPの金曜日とオーストリアGPの金曜日に走らせた1基目のスペック3である。
このエンジンは、アゼルバイジャンGPではギヤボックストラブルのため、オーストリアGPではMGU-Hに不具合のため、ユニットごとすでに使用している旧型の仕様のものと交換された。
つまり、1基目のスペック3を使用したマイレージは以下の通りだ。
■アゼルバイジャンGP
20周+15周=35周(210.105km)
■オーストリアGP
28周+27周=55周(237.49km)
今年は年間20戦を4基までがペナルティなしで使用できるため、1基あたりの耐久性は単純計算で約3000km。これに対して、アロンソが使用したスペック3はまだ450km以下しか使用されていない。計算上はイギリスGPとハンガリーGPをフルに使用してもまだ3000kmには達しない。
なぜ、3000kmにも達していないエンジンをイギリスGPで交換したのか。ホンダの関係者によれば、アゼルバイジャンGPのフリー走行でギヤボックストラブルに見舞われた際、バルブタッチがあったため、想定していたマイレージまで耐久性が保証できない可能性があるためらしい。
なお、エンジン以外の交換は問題があったからではなく、戦略的な意味合いでの交換。ベアリングを対策部品に交換した新しいMGU-Hは、オーストリアGP以降、アロンソのものに金曜日夜に不具合が発見された以外は、現在のところ、問題は発生していない。