2016/2017年のフォーミュラEは7月16日、第9戦ニューヨークePrixの決勝レースが行われ、予選4番手からスタートしたサム・バード(DSヴァージン・レーシング)が優勝した。
シリーズ初のニューヨーク開催となった第9戦。バード擁するDSヴァージンは、これがフォーミュラE初レースとなるアレックス・リンがポールポジションを獲得するなど好調ぶりを発揮する。
迎えた43周の決勝レースのスタートでは、3番手スタートのダニエル・アプト(アプト・シェフラー・アウディスポーツ)がトップに浮上する。
4番手からスタートしたバードも1コーナーでジャン-エリック・ベルニュ(テチーター)を交わして3番手にポジションアップ。チームメイトのリンに続いていく。
その後、数周に渡ってリンによる執拗なブロックに阻まれたバードだったが、9周目にオーバーテイクに成功。トップを走るアプトを追いかける。
16周目、アプトの背後にぴたりとつけたバードは5コーナーへの進入でイン側からアプトをオーバーテイク。トップに浮上する。
バードはその後、着実にリードを広げてトップを快走。レース中盤にマシンを乗り換えた後も首位を維持する盤石な走りでレース終盤を迎える。
しかし、レース残り5周のタイミングで後方を走っていたニック・ハイドフェルド(マヒンドラ)がドライブシャフト破損でコース上にストップ。車両回収のためセーフティカーが導入され、レースは一度リセットされることに。
車両が回収され、レースは残り2周で再開されると2番手につけるベルニュがオーバーテイクを試みるが、バードはその隙を与えずトップチェッカー。ニューヨークで行われた初の国際的レースでウイナーに輝いた。
また、最終ラップの5コーナーでは3番手を走っていたアプトがコーナーへの進入でオーバーシュート。この間隙を縫ってステファン・サラザン(テチーター)がポジションをひとつあげ、3位表彰台を手にしたほか、ルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディスポーツ)もポジションをひとつ上げている。
レース後、バードは「本当に素晴らしい結果だった。それにニューヨークでのフォーミュラE開催を実現した人々に感謝したい」と喜びを語った。
「(ニューヨークでのレース開催が)どれだけ難しいものか、僕には想像もできない。ただ素晴らしいレースウイークになっていることは間違いないよ」
「僕たちには(第7・8戦の)ベルリンePrixがターニングポイントになっていて、本当に多くのことを学んだ。その成果を見せられたと思っている」
「また、フォーミュラEのレース初戦でスーパーポールを制して、ポールポジションを獲得したアレックス・リンにも敬意を評したい」
日程が重複しているWEC世界耐久選手権に出場するセバスチャン・ブエミの代役としてフォーミュラEデビューを果たしたピエール・ガスリー(ルノー・e.ダムス)は、予選19番手と苦戦を強いられたが、決勝では大きくポジションを上げ7位でチェッカー。自身初のフォーミュラE戦でポイント獲得を成し遂げている。
現地16日には、同じくニューヨークで第10戦の予選・決勝が行われる。