7月14日、WEC世界耐久選手権第4戦がドイツ・ニュルブルクリンクで開幕した。走行初日となる14日は午前と午後に各1回ずつ、計2回のフリープラクティスが行われ、両セッションで2号車ポルシェ919ハイブリッドがトップタイムをマークした。
6月中旬に行われたル・マン24時間耐久レースから約1カ月のインターバルを挟んで行われる第4戦ニュルブルクリンク。WEC後半戦の勢力図を占ううえでも注目の一戦となるなか、ポルシェは地元凱旋レースとなる第4戦に、今シーズン初めてハイダウンフォース仕様のボディキットを投入している。
現地11時35分から開始されたフリープラクティス1回目では、セッション序盤にセバスチャン・ブエミが駆る8号車トヨタTS050ハイブリッドが1分41秒816というタイムで総合トップに立った。
その後、残り15分あまりとなったセッション終盤、ル・マンを制した2号車ポルシェ919ハイブリッドのティモ・ベルンハルトがブエミのタイムを0.204秒上回る1分41秒612をマークし、このセッション最速となっている。
総合3番手は1号車ポルシェ919ハイブリッド、同4番手には7号車トヨタTS050ハイブリッドが入ったが、上位4台の差は0.367秒以内と非常に僅差だ。
なお、フリープラクティス1回目は、セッション最終盤にヴァイヨン・レベリオンの31号車オレカ07・ギブソン(ジュリアン・キャナル)と、デンプシー-プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSR(マービン・ディエンスト)が5コーナーで交錯するアクシデントが発生したため、残り3分を残して赤旗終了となっている。
現地16時15分から行われた2回目の走行はセッション途中に降雨に見舞われたものの、大きな混乱は見られなかった。1回目の走行を僅差で終えたトヨタとポルシェはともにセッション序盤にタイムアタックを敢行。
まず7号車トヨタのアンソニー・デビッドソンが午前のタイムを約2秒短縮する1分39秒773をマークすると、直後に2号車ポルシェのブレンドン・ハートレーが1分38秒663というベストタイムを記録。
これに1号車ポルシェのアンドレ・ロッテラーが1分39秒629で続き、ポルシェ勢がワン・ツーとなった。その後は各車ともアタックを行わず、このままの順位で初日の走行を終えることとなった。
LMP2クラストップはGドライブ・レーシングの26号車オレカ07・ギブソン。アレックス・リンの代役として出場するベン・ハンリーが1分47秒188というタイムを記録し、クラス首位となった。2番手はヴァイヨン・レベリオンの13号車オレカ07・ギブソンが入り、シグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソンが3番手となった。
LM-GTEプロクラスは、フレデリック・マコウィッキの駆る91号車ポルシェ911 RSR(ポルシェGTチーム)が1分56秒244というタイムでクラストップに。アストンマーチン・レーシングの95号車アストンマーチン・バンテージが2番手、AFコルセの51号車フェラーリ488 GTEが3番手につけている。
澤圭太とクリアウォーターレーシングが挑むLM-GTEアマクラスは、スプリット・オプ・レースの54号車フェラーリ488 GTE(ミゲル・モリーナ)が最速。澤のチームメイトであるマット・グリフィンが駆る61号車フェラーリ488 GTEは2番手に入った。
15日(土)は現地時間9時45分(日本時間16時45分)からフリープラクティス3回目を実施。公式予選は14時55分(日本時間21時55分)から行われる予定だ。