F1イギリスGP金曜、2018年F1に導入することが検討中のコクピット保護デバイス“シールド”の初テストが、フェラーリのセバスチャン・ベッテルによって行われた。ベッテルは視界に違和感を感じたとして、走行プランを切り上げ、わずか1周でこのデバイスを取り外した。
ベッテルはFP1の最初にシールドをマシンに装着してコースに出たものの、インスタレーションラップ1周でピットに戻り、それ以降はシールドのテストは行わなかった。
最初に感想を求められた際に「視界がぼやける」と述べたベッテルは、午後になって、状況をより詳しく語った。
「メリットについて改めて話す必要はないと思う。このデバイスの目的については理解している」とベッテル。
「マイナス面について言うと、今朝試してみたところ、少しクラクラした」
「前方の見え方があまりよくない。湾曲しているせいだと思う。ゆがみがひどいんだ」
「ストレートを走っている時、ダウンウォッシュがすごくて、ヘルメットが前に押される感じになる。(シールドのテストのための)走行プランがあったけれど、気に入らなかったから外してしまった」
Sky Sports F1で現在解説者を務めるパット・シモンズは、空気がコクピット内に流れ込んでくるような状況はCFDのシミュレーションの段階で予想できたと述べた。
「ドライバーだけでなく、エンジンインレット、リヤウイングといったものに大きな影響が出るのが分かった」とシモンズ。
「F1の空力の問題を忘れてはならない。これはまだまだ未完成な技術だ」
ベッテルはシールドが装着された状態で乗り降りするのに手間取っていたようだが、それは特に大きな障害にはならないと述べている。
「もちろん楽ではないよ。乗り込むときにはそれほど大変ではないけど、降りるときに関しては慣れが必要だ。でもこれは大きな問題ではないと思う」
FIAはシールドについてさらなる分析を行い、9月のイタリアGPで再度テストを行う計画を立てている。
シールドを外した後の通常の走行について、ベッテルは次のようにコメントした。ベッテルはフリー走行1回目では6位、午後の2回目では4位のタイムを記録した。
「今日は多少の浮き沈みがあった。午前中の走り始めはバランスに問題があったが、セッション終盤には全体的にマシンは改善されたと思う」
「金曜日にはそれほどパフォーマンスを求めないし、新しいエンジンはこれからたくさんの距離を走らないといけないのでセーブしているんだ。うまく機能しているし、特に問題も発生しなかった。でももっと作業を重ね、改善していかなければいけない。調べるべきことは山ほどある」
「メルセデスは速そうだが、別に驚きでもなんでもない。今日のトラックはあまりにも滑りやすくトリッキーだったけれど、明日にはもっと良くなっていくと思うよ」