いかにもイギリスらしいというべきか、海を隔てたヨーロッパ大陸が30℃以上の暑さにうだる中、シルバーストンは木曜日からどんよりと雲が垂れ込め、気温も20℃以上には上がらない。
GP初日金曜日の朝は弱い日差しが差し込んだものの、通常より1時間早い午前9時からのFP1は、気温15℃、路面温度22℃という冬のオフテスト並みの寒さで始まった。ハースはこのセッションでケビン・マグヌッセンに代わり、フェラーリのサードドライバー、アントニオ・ジョビナッツィを走らせた。
真っ先に出ていったフェラーリの2台には、新たなコクピット保護デバイスの透明シールドが取り付けられている。視認性は良さそうで、外からの見た目も「ハロ」ほどの違和感はない。とはいえあくまで試験段階で、2台とも1周しただけでシールドはすぐに取り外された。
レッドブルはダニエル・リカルドが、空力センサーをマシン両側に山ほど装着して周回。一方チェック走行から戻ってきたマックス・フェルスタッペンは、レッドブルピットを行き過ぎて急ブレーキを踏む一幕も。「もうフェラーリに移籍したつもりか」と、メディアセンターのジャーナリストから揶揄の声が飛ぶ。
開始後19分には、早々にスーパーソフトを履いたキミ・ライコネンが最速タイム。その後も自己ベストを更新し続けたが、ソフト装着のフェルスタッペンがコンマ012秒差の1分30秒957でトップを奪った。
開始後30分。最初にコースから飛び出したのは、セバスチャン・ベッテルだった。高速コーナーのベケッツでハーフスピンを喫し、タイヤに大きなフラットスポットを作ったものの、マシンにダメージはなくピットに向かった。
1セット目のタイヤを返す開始後40分の時点で、バルテリ・ボッタス、ルイス・ハミルトンが1分29秒台に入って1-2。フェルスタッペン、リカルドが続く。ベッテルは10番手。マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソが、ソフトタイヤで6番手に付けている。
その直前にはウイリアムズのマシンから空力パーツが飛び、その回収のためコプス以降の区間でしばらくダブルイエローが振られた。
チェッカーまで約35分を残し、新品ソフトを履いたボッタスが1分29秒106を記録。昨年のQ2でハミルトンが出した最速タイムを、早くもコンマ137秒上回った。
その後は特に目立ったハプニングも、大きな順位変動もなくセッション終了。ハミルトンはボッタスのコンマ078秒差まで迫ったが、トップは奪えず。ソフトでの走行に終始したメルセデス2台に続いて、スーパーソフトのフェルスタッペン、リカルド。そしてライコネン、ベッテルのフェラーリがトップ6を占めた。
7番手のダニール・クビアトからコンマ1秒落ちで、アロンソが8番手タイム。終盤、ストフェル・バンドーンもスーパーソフトで10番手に入り、マクラーレン・ホンダはトップ10に2台入るというまずまずの滑り出しとなった。