7月11~13日にかけて鈴鹿サーキットで行われている鈴鹿8時間耐久ロードレースの合同テストに、ヤマハの主要3チーム、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム、YARTヤマハ、GMT94ヤマハがそろって参加した。
鈴鹿8耐の合同テスト初日。今年、鈴鹿8耐3連覇がかかるヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの中須賀克行はバイクのセットアップを担当し、2分8秒126を記録して総合2番手タイムをマークした。
中須賀のチームメイトであるSBK(スーパーバイク世界選手権)ライダー、アレックス・ロウズ、マイケル・ファン・デル・マークは、先週末にアメリカ、ラグナセカで開催されたSBK第8戦に参戦後、鈴鹿へ急行。
アメリカから飛行機で日本に渡り、11日の早朝に東京に着くと、そのまま新幹線で鈴鹿サーキットに駆けつけ、すでに準備を整えて待っていたチームと中須賀、そしてYZF-R1と共にテストを行った。
ロウズもファン・デル・マークもSBK第8戦を終えてから休めた時間はごくわずかだ。長旅による疲労と時差ボケの中でのテスト初日となったものの、ふたりとも鈴鹿8耐仕様のYZF-R1に慣れることに注力し、2分9秒台のタイムをマークした。
初日に2番手のタイムを記録した中須賀はテストを次のように振り返った。
「新しいタイヤでスタートして2分8秒台のタイムをマークしたけれど、その後はユーズドタイヤを使用していたので、タイム更新はできませんでした。全体的にタイヤのフィーリングはいいですし、問題は感じていません」
「アレックスとマイケルはラグナセカから鈴鹿に駆けつけてくれました。少し時差ボケがあったから、きっとふたりにはきついと思います。ですが、ふたりとも多くの経験を持っているから、まったく心配していません」
「チームとしてはいいスタートが切れたと思っていますが、今年は多くの手強いライバルがいます。僕たちは前進し続けなければいけません」
SBKからの疲れが残っているというチームメイトのロウズとファン・デル・マーク。「今は本当に疲れている」とロウズは次のようにコメントしている。
「鈴鹿までは長い道のりだった。僕らは東京に朝の5時ごろ着いて、鈴鹿までやって来たんだ。実際、ほとんど寝ていない。飛行機の中で少し寝たけれど、十分じゃなかった」
「このテスト初日は、鈴鹿8耐に参戦するコンディションに戻すことに集中したから、激しくプッシュはしなかった。鈴鹿を走るのは本当に楽しいし、ここにいられてうれしいよ」
ファン・デル・マークは「アレックスと同様に疲れているよ。けれど、3日間ここにいられるのは素晴らしいことだ」とテスト初日を振り返る。
「今日の目標は、マシンに慣れることだった。僕らにとって、実質的にテストは二日間みたいなものだね」
「サーキットに出て行って、多くのライダーがいた。実際のレースのために、多くのライダーたちと一緒に走る練習は重要だったよ。残りのテストも僕らに、注目していてほしい」
EWCにフル参戦し、現在、ポイントランキング3位につけているYARTヤマハのブロック・パークス、マービン・フリッツは、先週7月5日~6日に行われた鈴鹿8耐4メーカー合同テスト、タイヤメーカーテストの後、今回のテストのために日本にとどまり、野佐根航汰とともに初日を迎えた
11日は、パークスと野佐根が先週のテストで見つかった問題が解決されたかを検証し、それらをチェック。結果的に野佐根がマークした2分9秒351で総合12番手で初日を終えた。パークスとフリッツも2分9秒台で周回。先週のテストから着実に進歩していることを伺わせた。
今シーズン、第2戦ル・マン、第3戦オッシャースレーベン、第4戦スロバキアリンクで優勝し、EWCのポイントランキングで2位につけているGMTヤマハもダビド・チェカ、ニッコロ・カネパ、マイク・デ・ミオの3名がテストに参加。マイク・デ・ミオが鈴鹿サーキットを走るのは2003年に世界選手権のGP125クラスで走って以来、ニッコロ・カネパが鈴鹿を走るのは、昨年に続き2度目だ。
しかし、これまでの経験と今シーズン3勝を挙げたエンデュランスチームの着実なアプローチで、耐久レースを戦うマシン造りを行い、2分12秒台の安定したタイムをマークして、初日を33番手で終えている。
今年、EWC最終戦として開催される鈴鹿8耐。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームは3連覇に、そしてYARTヤマハとGMT94ヤマハはEWCのタイトル獲得に挑戦する。