パーソルキャリアは7月13日、「就活に関する意識調査」の結果を発表した。調査は6月、社会人10年目までの正社員1120人を対象にインターネットで行った。
転職理由「年収が低い」「企業で求められる能力が自分と合わない」
学生時代の就活を後悔している人は38%と、全体の約4割に上った。また、今年春に入社3年を経た2014年入社の社員に注目すると、就活を後悔している社員のうち79.7%が「入社3年以内に転職を考えた」と回答している。また、その半分は実際に転職していることから、新卒就活時の後悔は尾を引くことがわかった。
一方、就活を「後悔していない」(34%)という人に注目すると、転職を考えたことがあるのは37.1%で、実際に転職した人も26.1%だった。
就活を後悔している人の転職理由1位は「年収が低い」(26.2%)で、2位以下には「勤務時間や休暇の条件が希望に合わない」(21.6%)、「職場の人間関係に不満を感じて」(21.3%)、「年収アップが見込めない・年収の維持が見込めない」(18.3%)「この企業で求められている能力が自分と合わない」(17.1%)と続く。
年収に関する理由が2つランクインするなど、金銭面での不満は特に大きいようだ。
ネット情報より合同説明会より「リアルな声を聞けばよかった」
新卒時の就活を後悔している人は、企業研究で「興味がある企業に絞って分析」「自分に合っていそうな企業に絞って分析」する方向性を取っていた。
しかし、業界研究における後悔理由のトップ3には「10年後の自分を見据えて企業を選ぶ」(32.1%)、「たくさんの人から話を聞く」(30.2%)、「興味がある企業だけでなく、興味がない企業にも広げて分析する」(26.5%)が入っている。対象を絞らず、幅広い業界・業種を見ていればよかったと悔やむ様子が伺える。
また、企業研究の方法も「就活サイト(マイナビ・リクナビ)などを閲覧する」「合同会社説明会に参加する」のでなく、「入社1~4年目の友人知人・OGOB・志望企業の人に話を聞く」(21.3%)、「入社5年目以上の友人知人・OGOB・志望企業の人に話を聞く」(17.6%)と"リアルな声"を聞けばよかったと考えている人が多い。
同社は調査結果を受け、
「エントリーシートの書き方や面接テクニックの習得などに重きを置いた従来のマニュアル通りの就活では、自身のキャリアを十分思考できず、それが後悔に繋がっていると推測できます」
と分析し、「内定をゴールとした日本の旧態依然とした就活を変えていく必要があります」と訴えている。