2017年07月13日 09:33 弁護士ドットコム
奈良県御所市の廃棄物処理場でゴミの中から見つかった1000万円は、実際は2000万円だったのに、隠してパート従業員5人で山分けしていたとして、パート従業員の男性5人が6月23日、窃盗容疑で書類送検された。
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報道によると、パート従業員の男性が5月23日に現金2000万円を発見。ただ、拾得物として届けたのは1000万円のみだった。「半分なら見つからないと思った」と話しているという。
拾得物については、持ち主が見つかった場合の「報労金」の制度がある。もしきちんと届け出た場合、いくらもらえるのだろうか。大和幸四郎弁護士に聞いた。
そもそも報労金の制度はどうなっているのか。
「遺失物法には報労金についての規定があります。遺失物法28条1項で拾得者は、落とし物価額の5%から20%の報労金を請求できる権利が認められています」
もし、道端で2000万円を拾って、持ち主が見つかった場合、報労金の金額は実際にいくらになると考えられるのか。
「正直に2000万円を届けていれば、5%から20%の報労金をもらえます。つまり、100万円から400万円ということです。もし半分の1000万円しか届け出てなかった場合、50万円から200万円ということになります」
今回のように、廃棄物処理場の従業員が見つけた場合はどうなるのか。
「今回発見したのが、廃棄物処理場の従業員とのことです。この場合、施設占有者である廃棄物処理場が拾得者となる可能性が高いです。
そうなると、2000万円を届けたとしても、そもそも報労金は5人には1円も入ってこない可能性があります。
また、一般人が廃棄物処理場で拾得した場合は、施設占有者である廃棄物処理場との間で2分の1ずつに分けることになります(廃棄物処理法28条2項)
いずれにせよ悪事はバレますので、きちんと全額届け出るようにしましょう」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
大和 幸四郎(やまと・こうしろう)弁護士
佐賀県弁護士会。2010年4月~2012年3月、佐賀県弁護士会・消費者問題対策委員会委員長。元佐賀大学客員教授。借金問題、刑事・男女問題など実績多数。
事務所名:武雄法律事務所
事務所URL:http://www.takeohouritu.jp/