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欅坂46『残酷な観客達』の鍵握るのは長濱ねる けやき坂46メンバー全員登場でどんな結末に?

2017年07月13日 06:03  リアルサウンド

リアルサウンド

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 プールに浮かぶ14番・永峰みこ(長濱ねる)。それを見つけた17番・葉山ゆずき(平手友梨奈)は、プールに飛び込み、みこを助ける。“一つの友情の形、そして愛の形”にて終わりを迎えた、第8話。


(参考: 欅坂46・平手友梨奈&長濱ねる、“噛み合わない会話”は何を意味する? 『残酷な観客達』終盤へ


 セミファイナルとなる第9話では、プールから繋がる裏通路より、次のステージである職員室へと向かう。そこで生徒達に課せられたノルマは、タブレットの向こうで見つめる観客達からの「5万いいね!」。これまで、「いいね!」獲得に手こずっていた、葉山がひとりだけ先にノルマを達成するところで第9話は終了。最終回へと突入する。


 「ルールを守らなければ何が起きるのか」「何故、彼女達は閉じ込められているのか」「屋上から飛び降りる生徒」。残り1話という時点で、『残酷な観客達』(日本テレビ)の謎はさらに増すばかり。ただ、分かるのは、みこが物語の重要なキーマンであるということだ。これまでの彼女の動向を振り返ると、「先生救出計画」での故意的な失敗や、プールからの裏通路への誘導など、ドラマ全体のストーリーを操作しているのは、みこであった。生徒達はみこに言われるがまま、裏通路から脱出を図るが、最後にプールに残った彼女はタブレットに映る監視カメラに不敵な目線を送る。それは、まるでみこも“観客達”のひとりであるかのようにも見える。


 ドラマが纏う不可思議な雰囲気を醸し出しているのは、長濱のミステリアスな演技によるものだ。昨夏放送のドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか?』(テレビ東京)では、不登校の生徒役として、瞳孔と口を大きく開けたサイコな表情でファンを驚かせた。また、印象的なのは渡邉理佐との禁じられた関係。これは、『残酷な観客達』での長濱と平手の関係に通ずるものがある。


 「私、ゆずきとなら死ねるよ」「私は永遠にゆずきの側にいたいだけ」。狂気的でありながら、女性同士の恋愛も描いている今作の長濱の演技は、『徳誰』の延長線上にあると言ってもいいだろう。「目的はたぶん、世の中を救いたいんじゃないかな。いずれ分かると思う。理由も実行犯も」。これは、第2話でのみこのセリフ。タブレットの向こうにいる観客達の目的に疑問を抱いた生徒達へ教えたもの。ドラマ序盤から、みこはまるで全てを知った上でそこに存在しているかのようだ。


 最終回の予告では、閉じ込められた“他の子達”として、けやき坂46のメンバーが登場。自分たちにどのような運命が訪れるかまだ知らない女子高生を演じる。そして、もう1つこのドラマを紐解く手がかりとなるのは、放送開始のタイトルと予告終わりに挟み込まれる教卓の上に横たわるゆずきの姿。みこのセリフの随所で“死”を匂わせていることからも、けっして無関係とは思えない。ひとつ確かなのは、誰も予想だにしない結末が待っているということだろう。


(渡辺彰浩)