7月10日夜、埼玉県桶川市や川越市を中心に「謎の光」が多数目撃され、「地震の前兆」ではないかというデマがツイッターで拡散。結局、謎の光の正体がセスナ機だったことが判明するのだが、一時ネット上が騒然することとなった。
「埼玉の謎の光が、地震の前兆かもしれないってことでなんだか怖いな」
「謎の光」の目撃情報が映像付きでTBSで報じられると、ツイッターに多数の書き込みが寄せられた。
「埼玉県南部で目撃された謎の光、地震の前兆なのでは。過去にも東日本大震災や関東大震災の起こる前などで謎の光が見られたそうです」
7月11日の朝に投稿されたこのツイートは大きな反響を呼び、11日の夕方には5000回以上リツイートされた。他にも、同様の投稿が数多くみられた。
「UFOならば近々に地震の可能性があります。大き目地震の前に現れることが多いです」
「埼玉の謎の光が、地震の前兆かもしれないってことでなんだか怖いなぁ」
奇しくも、11日の正午頃に鹿児島県で最大震度5強の大地震が発生したことから、「鹿児島の地震の予兆やったんかなぁ」という声も上がっていた。
しかしハフィントンポストは同日午後、「謎の光」はセスナ機だったと報じた。埼玉県桶川市には、本田航空が運営する民間飛行場「ホンダエアポート」がある。同飛行場に置かれたセスナ機を使って、スカイダイビングクラブがテストダイビングを行ったのだという。
「またかよ」と思いながらも悪ノリしてデマ拡散?
一方でそうしたツイートを諫めるような意見も出ていた。たとえ恐怖心や正義感からツイートしているのだとしても、不確かな情報を拡散することには危険が伴う。
「埼玉県南部の謎の光について東日本大地震とか熊本地震の時にも?とか7.11だから大災害の予兆が?とか言ってる人はいざ大きな災害が発生した時に正義感からデマツイート拡散しちゃうタイプの人である確率も高い」
ネット上では災害や事故に関連したデマが度々問題になる。昨年も、熊本地震発生直後に「動物園からライオンが脱走した」とデマをツイートした男性が偽計業務妨害の疑いで逮捕された。最終的には不起訴処分となったが、安易な投稿は危険だ。
なぜこうした噂が繰り返されるのだろうか。ITジャーナリストの井上トシユキさんは、「以前、地震雲だと話題になって拡散されたものが、飛行機雲が風に流されたものだと後から判明したことがありました。単なる飛行機雲よりも、地震雲かもしれないという方が面白いじゃないですか。皆、『またかよ』と思いながら、悪ノリしているんだと思います」と語った。
単なる「悪ノリ」でも実際に問題を引き起こすことはある。
「パニックが起きたり、食料品の買い占めが起きたり、ある地域の人々が一斉に避難を始めることで交通渋滞が起きる可能性もあります」
やはり、よく分からない情報は安易に拡散してはいけない、ということだろう。