ポールポジションからスタートした14号車レクサスRC F GT3 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)は7月7~9日、第7戦がカナダのモスポート・パークで行われ、GTDクラスに2台のレクサスRC F GT3を投入する3GTレーシングは、14号車レクサスが参戦後初のクラスポールポジションを獲得。決勝ではクラス5位で完走し、僚友の15号車レクサスはクラス12位でチェッカーを受けた。
第6戦ワトキンスグレンからわずか1週間というタイトなスケジュールで行われた第7戦モスポート。前戦で初のトップ5フィニッシュを達成した3GTレーシングは、14号車レクサスにセージ・カラム、スコット・プルエットのコンビ、15号車レクサスはジャック・ホークスワース、ロバート・アロンというレギュラーメンバーで挑んだ。
8日に行われた公式予選、15分間で行われるこのセッションで14号車レクサスを駆るセージ・カラムがスーパーラップを披露。カラムは従来のGTDクラスレコードタイムを2秒近く更新する1分16秒563というタイムをマークして、2017年シーズンにデビューした新型RC F GT3に初のポールポジションをもたらしている。
一方、15号車レクサスは予選前に行われたフリープラクティス3でホークスワースが激しいクラッシュを喫してしまう。幸いドライバーは無事だったもののマシンの損傷が大きく、予選の出走は断念せざるを得ない状況となった。
迎えた決勝日、チームスタッフの懸命な作業により15号車レクサスの修復が完了。朝のウォームアップ走行では、前日に14号車レクサスが記録したコースレコードに迫るタイムを記録するなど、決勝での巻き返しに向け準備を整えた。
正午過ぎに2時間40分のレースがスタート。ポールポジションからスタートした14号車レクサスのカラムは盤石な走りでクラス首位をキープすると、トップのまま1回目のピットタイミングを迎える。
35周目、カラムからプルエットにドライバー交代を行いトップのままコースに復帰するが、その後ピット作業違反により2回のドライブスルー・ペナルティを受けることに。
中段グループのなかでレース終盤を迎えた14号車レクサスが最後のドライバー交代を行なった直後、コース上には雨が落ちはじめる。
アンカーを務めたカラムは、スリックタイヤでウエット路面を走る難しいドライビングを強いられれながらも、立て続けにポジションを上げ最終的にクラス5位でチェッカー。14号車レクサスにとっては初のトップ5フィニッシュを達成してみせた。
■カラム「雨が振りはじめて、チャンスだと思った」
「間違いなく勝てると思っていた。マージンも充分あり、そのまま行けばトップで戻れるはずだったけれど、不運にもピットストップ作業で時間をロスし、加えてペナルティまで受けることとなり、優勝争いから脱落してしまったんだ」とレース序盤の出来事を振り返ったカラム。
終盤の追い上げについては「僕にドライバーチェンジしたまさにその時、雨が降り始め、チャンスだと思ったよ。僕は雨のなかでレースを戦うのが大好きだからね。スリックタイヤのまま濡れた路面で走るのは本当に大変だけど、好きなシチュエーションのひとつで、とても楽しかった」とコメント。
「5位でフィニッシュできたことはとてもうれしいよ。僕たちの14号車にとっては今季ベストリザルトだし、チームのベストリザルトタイ記録でもあるからね。あと1周か2周あれば表彰台も狙えたと思うよ」
予選不参加となったことからクラス14番手スタートとなった15号車レクサスはレース序盤、スタートドライバーのアロンがじりじりとポジションを上げていき、19周目には11番手まで浮上した。
その後、14号車と同じくレース終盤の雨でスリックタイヤでのウエット路面走行を強いられながらも、アンカーのホークスワースは無事にマシンをフィニッシュまで運び、クラス12位でチェッカーを受けている。
「まず何よりも最初に言っておきたいのは、結果よりも、夜を徹して車両を走れるようにしてくれたスタッフの素晴らしい仕事についてだ」とホークスワース。
「彼らは激しくクラッシュした車両を完璧に修復するという、信じられない仕事をやってのけ今朝のウォームアップではコースレコードに近いタイムで走れるまでにしてくれたんだ」
「僕らのマシンはペースも良かったのだけど結果にはつながらなかった。今日はちょっと運に恵まれなかたったね。ジャッキアップ時にタイヤが回ってしまったということでドライブスルーペナルティを科され、何台かにパスされたのだけど、そのなかにクラス首位の車両が居たため周回遅れとなってしまったんだ」
WSCCの次戦、第8戦は2週間後の7月21~22日、コネチカット州のライム・ロック・パークで2時間40分のセミ耐久レースが行われる。