2017年07月11日 10:13 弁護士ドットコム
駅スタンドにPR用に置いたイベント案内チラシが、大量に持ち去られているーー。兵庫県のJR加古川駅周辺の商店街でそんな事件が発生していることが報道された。
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毎日新聞の報道によると、フリーペーパーを発行する男性が設置したスタンドから、裏面が白紙のチラシばかりが1000枚以上盗まれているという。男性は警告文を張り出した。
加古川署は窃盗容疑で捜査を進めているという。もともと無料配布のチラシであっても、大量に持ち帰った場合は窃盗罪に当たるのだろうか。吉田要介弁護士に聞いた。
無料配布のチラシは、チラシの内容を知ってもらうという広告の目的で、無料で配布されている、すなわち、自由に持ち帰ってよいとされているものと思われます。そして、チラシの管理者であるスタンド設置者は、その目的の範囲内で、スタンドからチラシを持ち帰ることを容認しているのであって、チラシの内容を知ってもらうという広告の目的を越えて、チラシを大量に持ち帰ることは、管理者であるスタンド設置者が、到底容認していない行為であるため、窃盗罪に当たります。
ただ、友達にもそのチラシの内容を知ってもらいたいと考えて、数枚のチラシを持ち帰ることは、チラシの内容を知ってもらうという広告の目的に合致するものであり、管理者であるスタンド設置者が容認している行為といえ、特段の事情がない限り(1枚以上持って帰ることを禁止している場合等)、窃盗罪には当たりません。
警告文にある「大量」という表現は、どの程度なのか明らかではありませんが、少なくとも、1000枚近く持ち帰ることは、およそ、チラシの内容を知ってもらうという広告の目的とは無関係と考えられるので、特段の事情がない限り、警告文の有無を問わず、窃盗罪にあたるものと思われます。
警告文がない場合、チラシの内容をより多くの人に知ってもらうために、他の場所で多数の人に配るつもりであった等、チラシの内容を知ってもらうという広告の目的があった場合、管理者であるスタンド設置者が、容認していない行為といえるか微妙であるため、窃盗罪に当たらない場合もあると思われます。
もっとも、その判断は微妙なので、そのような目的がある場合は、事前に管理者であるスタンド設置者に了承をとっておくのが無難です。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
吉田 要介(よしだ・ようすけ)弁護士
千葉県弁護士会所属。日弁連子どもの権利委員会事務局次長,千葉県弁護士会刑事弁護センター委員。法律を「知らないこと」で不利益を被る人を少しでも減らすべく、刑事事件、少年事件、家事事件、一般民事事件等幅広く手がけ、活動している。
事務所名:ときわ綜合法律事務所
事務所URL:http://www.tokiwa-lawoffice.com