フォーミュラワン・グループは、マーケティングエージェンシーと提携し、マーケットとして重要視している中国でのF1のプロモーション活動を強化しようとしている。
F1の新経営陣は、中国をまだF1が十分に浸透していない拡大市場として注目しており、中国で2レース目を開催することも視野に入れているとみられる。フォーミュラ・ワン・グループはマーケティングエージェンシーのラガルデールスポーツと組み、中国における戦略的パートナーシップの構築と知名度の向上を図ることを明らかにした。
2社から発表された共同声明の中でラガルデール社の役割は、「イベントプロモーション、映像著作権、デジタルおよびブランドパートナーシップ、マーチャンダイジング、ドライバー育成、レーシングチーム開発といった分野において、フォーミュラ・ワンのために戦略的パートナーを特定、確保する」こととされている。
フォーミュラ・ワンで商業担当取締役を務めるショーン・ブラッチスは、F1に対する中国の熱意の高まりを強調した。
「F1への熱意を基盤として、ファンがよりレースに親しめるように意図された独自のエンターテイメント体験を通じ、我々のブランドを展開していくことを切に願っている」とブラッチスは述べた。
マクラーレンのエグゼクティブディレクターを務めるザック・ブラウンは最近、中国は大きな可能性を秘めた未開拓の市場だと発言している。
「我々はまだ中国の中のいるべき場所にたどり着いていない」とブラウンは先月のロイターのインタビューで語った。
「北京と上海でレースを開催することができたかもしれない。私はアジアの市場が飽和しているとは考えていない」
また、最近になって中国を拠点とするコンソーシアムが新たなF1チーム創設を含むプロジェクトに着手しているというニュースが伝えられ、レッドブル・レーシングの代表クリスチャン・ホーナーはチームのスタッフたちがその急成長中のベンチャーから誘いを受けていることを明らかにした。
中国マネーはロン・デニスによるマクラーレン・グループ買収の試みにも関与していた。しかし結局、20億8000万ドル(約2350億円)と推定されている買収案は受け入れられず、最終的にデニスは彼のマクラーレンの持ち株を売却することになった。