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注目素材“グラフェン”のペイントがスゴイ!無毒性で軽量、鋼の200倍の強靭さ、銅の1000倍の伝導性で、建物内の熱効率もアップ

2017年07月10日 17:03  Techable

Techable

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近年、注目の素材グラフェン。2004年にマンチェスター大学の研究者がノーベル賞を受賞した新素材で、炭素原子が六角格子状に形成されたものだ。
・熱効率をアップし、冷暖房の消費エネルギーを減らす
非常に安定性が高く、無毒なこの素材を用いて、スペインの化学工学者León Jiménez氏が「Graphenstone paint」というペイント素材を開発したという。

スペインのMorón de la Fronteraという場所から採れた鉱物石灰にグラフェンを加えてできたペイント素材は、なんと建築鋼の200倍の強靭さ、銅の1000倍の伝導性を保持するという。

これなら放射熱をペイントに通すことで、断熱効率をアップできそうだ。建物内の熱統制を容易にし、温め、冷却のどちらにおいても、消費エネルギーを減らせるようになる。
・湿気を防ぎ、有害化学物質などを含まない安全性
グラフェンのおかげでペイント素材の重量を減らしつつ、多孔性のコーティングによって壁の通気性は保つ。湿気を減らし、カビや微生物の繁殖を抑えることにつながる。

また、ホルムアルデヒドのような有害な化学物質や重金属を含まないため、安全性も高く、塗布した後の必要放置時間もグッと短くなる。
・豊富な1000カラー
「Graphenstone」は、イギリスのGraphene Company経由で利用できる。1000以上のカラーがあり、屋内、屋外の両方で使用可能だ。学校や病院、ケータリングサービスなど、高度な衛生状態が求められる施設や、気温調節に配慮したい建物の、装飾やリノベーション、建築デザインなどに活用できそうだ。

Graphenstone